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GM大豆を食べたラットの子に重大な影響が!!

エルマコヴァ博士全国講演会 Q&A

「Q&A 17〜25」


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Q17 GM飼料で育った家畜は食べても大丈夫なのか

Q 遺伝子組み換えされた大豆の混入した餌で飼育された家畜は大丈夫なのでしょうか。そのような飼料を用いて飼育した牛の肉等は人間が摂取して影響ないのか。食べないほうがよいのか。(札幌)
Q GMの飼料を食べている豚や牛、鶏の肉や内臓(レバーなど)など、私たちが食べたらどうなるのでしょうか。人間の体にも残るのでしょうか。熱を加えて調理しても人間の体に入るのでしょうか。(札幌)

A これまでGM作物を飼料として用いた家畜を、私たちが食べた時の影響に関しては、ほとんど調査されていません。そのため答えようがないのが現実です。かつて未承認GM作物スターリンク(殺虫性トウモロコシ)が飼料に混入し、世界的な問題となりました。その「スターリンク事件」の際に、農水省の委託で日本科学飼料協会が、ブロイラーなどを用いて、スターリンクの殺虫毒素をつくるDNAやタンパク質が肉などに移行しないかを評価したケースがあり、移行はなかったという結論になりました。しかし、これはあくまでDNAやタンパク質が肉などに移行しないかを評価したもので、肉などにどのような影響をもたらしたか、というものではありません。まして食品としての安全性を評価したものでもありませんでした。



Q18 安全な食品を食べるにはどうしたらいいのか

Q GM作物かどうかどのように知ればよいのか。(関西)

 一般の消費者が知ることができるのは、表示を通してです。ところが、豆腐・納豆などいくつかの食品には表示義務があり、GM大豆を使っているかどうか表示されていますが、食用油やマヨネーズなどの油製品、醤油など多くの食品には表示義務がないため、消費者は知ることができません。しかも、5%まで混入が容認されているため、「不使用」と書いてあっても混入が0%ではないことも知っておく必要があります。

Q 市販大豆製品には「遺伝子組み換え大豆は使っていません」と表示してあるが、実際には何%かふくまれているという。何%くらいまで入っているのか。(関西)

 現在の表示制度では、5%まで混入が容認されています。現実には、米国産大豆を用いている豆腐を検査すると、1%前後検出されるケースが多くなっています。米国でのGM大豆の栽培が広がっているため、この割合は増えていくものと考えられます。

Q 国産大豆は安全なのか。(関西)

 現在、日本国内での遺伝子組み換え大豆は、試験栽培では作られていますが、一般の市場に流れる形では作られていません。

Q 市販の豆腐(その原料の大豆)は大丈夫ですか。GM大豆の入っていない豆腐の商品名を知りたいのですが。(札幌ほか)

 現在、スーパーなどで販売されている豆腐には基本的にGM大豆は使われていません。納豆や味噌も同様です。しかし、5%までの混入が認められているため、米国から輸入された大豆を使う限り、一定程度の混入は避けられません。今年7月5日に農水省が発表した「大豆加工食品表示等に関する調査結果」でも、300点の大豆加工食品のうち約66%の食品にGM大豆が確認され、交雑・混入の深刻さが浮かび上がる結果となりました。とくに143の商品を分析した豆腐・油揚げでは、111の商品から組み換え遺伝子が検出されました。現在のところ、国内ではGM大豆が栽培されていませんので、国産大豆を用いたものをお勧めします。

Q 生の野菜をよく食べるのですが、除草剤や農薬も気になります。重曹で取り除くようにしていますが、どのように落とす方法が一番有効でしょうか。(札幌)

 もっともよい方法は、有機農業で作った野菜を入手されることです。現在、有機野菜栽培は広がっており、それほど入手は難しくないと思います。また、農薬を用いないで栽培した野菜も多くなっています。低農薬表示をした野菜の場合、どの程度農薬を用いたかあいまいですが、慣行農業の野菜よりやや少ない程度と見てよいと思います。農薬を用いたものに関しては、完全に除去することは困難です。外側についたものは、水を流しながら洗えばある程度までは落ちますが、限界があります。



Q19 GM作物の人体への影響は?

Q 今まで食べたGM作物の影響はどのくらいしたら消えるのか。(関西)

 GM作物がどのような影響をどのような形でもたらすかといった課題も未解明ですし、作物の組み換えDNAやそれが作り出すタンパク質がどの程度で影響を及ぼさないようになるかといった問題も未解明です。

Q 日本ではコーン油や大豆油、ナタネ油など、食用油として人々の口から入るのが一番量的に多いと思いますが、作物そのもので(大豆のままなど)口に入る場合と悪影響は変わらないのでしょうか。(札幌)

 食用油ではタンパク質はほとんどなくなっていますので、直接生で食べる場合と比べれば影響は少なくなります。しかし、タンパク質がまったくゼロになるわけではなく、微量の不純物の形で存在していますので、影響が皆無になることはありません。

Q GM作物を一番たくさん食べているのは私たち日本人ではないかと思います。そこで人体への影響を調べる方法はないのでしょうか。(関西)

 直接人体実験を行うことができないため、現在は疫学調査という統計学的な手法が用いられています。しかし、この手法は交絡因子と呼ばれるさまざまな要因を排除して、純粋にそのものだけの影響を見ることが難しいため、現在はまだスクリーニングの役割に止まっています。とくに食べ物の場合は食品添加物や農薬などさまざまな因子が考えられるため、とくに難しいとされています。



Q20 日本にはどれくらいGM作物が輸入されているのか

Q 昨年(または最近)日本が輸入したGM作物(認可されているものもすべて)は何トンですか。(つくば)

 日本は現在、国内でこそGM作物は作られていませんが、世界で最も輸入している国です。どの程度輸入されているかは公式には発表されたことがなく、推定するしかありません。
現在、4作物が輸入されています。トウモロコシは、2005年の総輸入量1670万トンのうち約40%がGMトウモロコシだと推定されますので約668万トンです。大豆は、2005年の総輸入量410万トンのうち約65%がGM大豆だと推定されますので約267万トンです。ナタネは、2005年の総輸入量230万トンのうち約60%がGMナタネだと推定されますので約138万トンです。綿は食品と衣料用があり、よくわかりません。



Q21 ロシアのGM作物の現状は?

Q ロシアでGM作物はどのくらい栽培されているのか。(つくば)
Q ロシアではGM作物を作っているのですか。どの程度作っているのですか。ロシア政府の対応はどうですか。(札幌)


 現在のところ、ロシアではGM作物は栽培されておらず、プーチン政権の下では栽培する予定もありません。
しかし、ロシアも日本と同様、米国などから遺伝子組み換え作物を大量に輸入しています。そのためGM食品表示制度がつくられていますが、きちんと表示されずに出回っていて問題になっています。



Q22 GM食品の国際的な規制はどうなっているのか

Q 安全性の実験成果もないのに、なぜ遺伝子組み換え作物が作られたのでしょうか。国はどのような根拠で食品としての承認をしているのでしょうか。(札幌)

 遺伝子組み換え作物は、食品としての安全性を評価する国際基準がないまま商業栽培され、流通が開始されました。ですから当初は、表示がないままGM食品が流通していました。その後、国際的な批判にさらされてコーデックス委員会により国際基準づくりが始まり、各国ごとにGM食品への表示も行われるようになりました。
* コーデックス委員会:消費者の健康の保護、食品の公正な貿易の確保等を目的として、1962年にFAO及びWHOにより設置された国際的な政府間機関であり、国際食品規格の作成等を行っている。日本は1966年より参加している。
現在、日本ではコーデックス委員会で決められたGM食品安全性評価の国際基準に基づいて安全審査の基準を作り、食品安全委員会が評価しています。しかし、この国際基準は、基本的に動物実験を行わなくてよいとするなど、食品の安全性を評価するものではないと、EU各国政府や途上国政府、消費者団体、環境保護団体などから批判されています。

Q 実際に遺伝子組み換え食品と知らずに摂取していると思うのですが、国際的にどのくらいのレベルで生命操作されるこの問題に手が打たれているのか。業界やモンサント社、国なども絡んでいるように思われます。人命に関わる問題として放置は許されないのではないか。(札幌)

 遺伝子組み換え食品に関する国際的な規制は、1つはコーデックス委員会による食品としての安全審査の国際基準です。しかし、委員会での議論をみると、流通を優先しており、消費者の立場に立っているとはとても思えません。現在コーデックス委員会では、GM動物食品の安全審査の国際基準づくりが進められています。
もう1つは生物多様性条約のカルタヘナ議定書です。これはGM生物の国際間の移動に歯止めを求めたものです。その国内法が日本でも施行されましたが、実効力に乏しく、GMナタネの自生が拡大しているにもかかわらず、まったく対応できない内容になっています。



Q23 日本政府はどうしてGM作物に慎重に臨まないのか

Q 日本の政府はどうしてGM作物に対して慎重な態度で臨まないと思いますか。(札幌)

 慎重というより、むしろ推進の立場をずっととってきました。その底流には企業の利益優先という立場があると思います。



Q24 「トリプトファン事件」とは?

Q 講演中に出た「トリプトファン事件」とは。(関西)

 1988年から翌年にかけて、昭和電工が引き起こした大規模な食品公害事件です。被害は主に米国で発生したため、日本ではあまり知られていません。
事件は、遺伝子組み換え技術で改造した微生物につくらせた健康食品の中に、微生物由来の不純物が入り込んだことにより起こりました。38人が死亡し、6000人の被害者が出ました。この事件は、遺伝子組み換え技術が予期しないものを作り出し、大規模な健康被害をもたらす可能性を示しました。



Q25 医薬品を作り出すというGM技術の現状は

Q 糖尿病の薬であるインシュリンを組み換え細菌につくらせていると聞いたのですが、本当でしょうか。これは安全なのでしょうか。(東京)

 医薬品の分野では、遺伝子組み換え技術は1兆円産業となっています。インシュリンやインターフェロンなど数多くの医薬品が市場に出ており、その多くが細菌を用いて生産されています。しかし、医薬品の場合は食品と異なり、安全審査が厳しい上に、摂取する人が特定の病気の人に限られています。安全審査では、動物実験が3段階、臨床(人体)実験が3段階行われており、効果や副作用が厳しく判定されます。それに対して食品は、誰もが口にするものですので、本来、より厳しい審査が必要なはずです。しかし、現状では臨床実験はもとより動物実験もほとんど行われていません。

Q 医療用に使われるリンゲル液はトウモロコシが多く使われていると聞くが、大丈夫か。(関西)

 リンゲル液は電解質補液として臨床に用いられます。塩化ナトリウム、塩化カリなどに加えてブドウ糖が用いられます。このブドウ糖の原料にGMトウモロコシが用いられている可能性があります。それが大丈夫かどうかということについては、誰も調べていませんが、もしリスクがあったとしても、医療には多少のリスクを受けても、病気の原因がわかるなどの恩恵(ベネフィット)の方が大きければ必要だとする「リスク・ベネフィットの考え方」があり、それによって得る利益と危険性を秤にかけて考えて見る必要があります。


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