コーデックスNGO行動報告
韓国からこられたパク・ビュンサンさん

 私は韓国での生命安全倫理連帯の代表です。この団体は17の市民団体によって構成されており、環境、消費者、宗教団体などが参加しています。韓国では現在、政府が農家に「夢のおコメ」を配っているという話はありますが、まだ遺伝子組み換えイネは出回っていません。

 韓国ではいま、作物ではなく、微生物の遺伝子組み換えが大きな問題になっています。それは地雷地帯にまけば、その地雷を食べてしまうという微生物です。現在、北朝鮮との間は、休戦状態であって、戦争が終わったわけではなく、続いているわけですから、地雷をなくす話は良い話であって、それに反対すると共産主義者だと見られかねません。それでも問題点は、伝えていかなければならないと思っています。

 生命操作に関しては、安全と倫理の両方の視点から問題を追及しています。韓国ではまだ、クローン人間をつくっても違法ではありません。食品表示に関しては、今年の3月からダイズとトウモロコシ、モヤシについて義務化され、ジャガイモに関しては来年の3月からです。

 加工食品は今年7月から義務化されますが、問題は、表示される食品が圧倒的に少ないことです。とくに飼料と食用油が表示されないことが最も大きな問題です。混入率は3%に設定されていて、3%以上でないと表示しなくてもよいことになっています。

 表示は、市民が動いてやっと義務化されました。政府の方では現在、遺伝子組み換え作物に関して、イネを含めて13品目を開発しており、安全性を前面に押し出して進めています。市場に出ている国内産ダイズの0・3%が遺伝子組み換えダイズとなっていると見られています。それは、米国から入ってきた遺伝子組み換えダイズが農村に流れ、栽培されたからではないかと思われます。

 生命安全倫理連帯の活動は、1998年の春に、ヨーロッパでの遺伝子組み換え食品の表示が報道され、その時に政府に対して質問したところから始まります。その時の政府の答えは、まったく知らないとのことでした。同年7月に「ハンギョレ新聞」が穀物に関して政府に質問を提出しました。その際には、新聞社ということもあって回答したのですが、米国からダイズが混じって入ってくるということでした。それ以降、市民団体が集会を開き始めたのです。

 1998年9月に国会に行ったのですが、議員が逃げてしまいました。その時に、市民団体が結束して取り組んでいくことを決めたのです。最初は、何も知らない市民に対して、集会や声明発表などを行ないながら、知らせるところから行ないました。

 徐々に市民も、遺伝子組み換え食品に対して意識を持つようになりました。2000年に入り、市民の意識も高くなり、組み換え食品を食べない人が増えています。それでも運動自体はあまりうまく行っているとは思いません。というのは、韓国の市民運動では、有名人が参加すれば人も関心を持つのですが、私たちのような一般市民が取り組んでもなかなか浸透しません。

 また環境保護団体の場合、ゴミやダムなど、他のテーマの取り組みに力を入れていたこともあり、大きな広がりを持つにはいたっていません。それでも声明を発表したり、集会を持つなどは続けております。

 2001年からは、地方で有機農業を行なっている生産者の間で、遺伝子組み換え食品に反対する人が増えてきています。遺伝子組み換え食品を食べない運動だけでなく、長期的には、季節のものを食べる、食糧自給を確立する、そういった運動が大切だと思います。

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まとめ天笠 啓祐