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遺伝子組み換え作物反対運動とGM作物栽培規制条例・指針
No! GMOの声を挙げ、
GM作物栽培規制条例制定をすすめよう!

北陸研究センターのGM稲、刈り取り終了

 上越市にある中央農業総合研究センター・北陸研究センターで野外栽培試験が行われていた複合耐病性GM稲が、10月3日に刈り取られた。第一次田植えの稲に関しては、すでに8月1日に青刈りがされており、これは6月29日に田植えされた第二次のもの。刈り取りは、異例ともいえる非公開だった。刈り取られた稲は、耐病性の効果を見ることと、来年用の種もみの採種を目的としている。

 当日、新潟県の米と自然を守る連絡会は、GM稲に関する情報開示などを求める公開質問状と2万4136人分の署名をセンターに提出した。質問状の中には、北陸センターが国に提出した申請書には、カラシナではなくコマツナの塩基配列が記載されているなど虚偽の記載であるとして、申請は無効ではないかとする質問も含まれている。

GM稲の野外試験の栽培中止を求める仮処分申請裁判で新潟地裁高田支部は、8月17日に申請自体を却下したものの、判決文の最後に、研究所に対して「情報提供が不十分で説明責任を果たしておらず、今後、農業に支障を来した際には差止めもやむを得ない」という、異例ともいえる注文を加えていた。しかし、北陸センターは刈り取りを非公開にするなど、情報公開の姿勢は一向に見られていない。


運動の拡がりが規制条例を生み出す

 新潟で規制条例 その新潟県でいま、北海道のような遺伝子組み換え作物栽培規制条例がつくられつつある。その「新潟県食品安全条例(仮称)」を検討しているのが、遺伝子組み換え作物のあり方検討委員会で、第1回が8月4日に開かれ、9月21日に開かれた3回目には県から素案が出され、4回目でほぼ中身が確定する予定である。
 新潟県の他にも、各地の自治体ではGM作物栽培規制条例や指針制定の動きが始まっている。

千葉県では「食品安全条例」の中にGM作物の交雑・混入を防ぐという項目を入れようとしている。つくば市もなんらかの規制を行うため、「遺伝子組換え農作物の栽培に係る方針検討会」を立ち上げた。

 愛知ショック 自治体による規制の動きが広がった原点に、愛知県でのGM稲反対運動がある。モンサント社の除草剤耐性稲に反対して、2002年7月6日と11月17日、名古屋で全国集会が開かれた。その時集まった署名は58万余筆に達し、同年12月に愛知県が中止を表明、モンサント社も開発を断念した。

 この“愛知ショック”で三菱化学・三井化学・日本たばこ産業・キリンビールの民間企業4社がGM稲から撤退、全国の自治体でGM作物関連予算が半減した。
 岩手・愛知で開発中止 2003年4月に農水省は、岩手生物工学研究センターが開発した低温耐性稲、北海道農業研究センターで栽培予定の光合成活性化稲など3つの遺伝子組み換え稲の野外試験を承認した。

同年11月29日に盛岡市でGM稲に反対する全国集会が開かれ、署名は40万余筆に達した。同日、岩手県農林水産部長はGMイネの開発中止を明言した。この動きを受けて、2004年9月14日に岩手県ではGM作物栽培に関する指針が制定された。
 岩手県の動きと並行して、島根県でもGMメロンの栽培試験をめぐって反対運動が広がった。12月7日に開かれた島根県出雲市でのシンポジウムの席上、農業試験場生物工学科長はGMメロン中止を明言し、これによって自治体における食品用のGM作物開発はすべて消える事態となった。残るはモンサント社のような多国籍企業と農水省の関連研究機関で進められている開発だけとなった。

 北海道で本格規制条例 2002年、バイオ作物懇話会が北見市でモンサント社のGM大豆を作付けた。北海道内で反対する動きが強まり、2003年2月15日、GM大豆栽培に反対する全国集会が札幌で開かれた。さらに、北海道農業研究センターでGM稲が試験栽培され、反対運動が広がったことから、2003年12月、北海道議会はGM作物栽培規制に関する条例制定を決定した。

 バイオ作物懇話会は2003年、全国3カ所でGM大豆を栽培した。8月には、茨城県谷和原村に作付けされたGM大豆を周辺農家がすき込むという事件が起きた。滋賀県中主町では県知事が反対の意向、規制を表明した。このような動きを受けて、茨城県では2004年3月4日にGM作物栽培に関する方針を、滋賀県では同年8月24日にGM作物栽培に関する指針を発表した。

 カルタヘナ議定書施行以後 2004年2月19日にカルタヘナ議定書国内法が施行され、同時に農水省は、情報の公開や説明会の義務化の指針を打ち出した。各地で説明会が開かれ、多くの市民が参加した。説明会は紛糾し、その結果西東京市ではGMジャガイモの野外栽培が中止となり、平塚市ではGM稲の野外栽培が屋内へと変更になった。
2005年4月、上越市・北陸研究センターで複合耐病性GM稲の説明会が開かれた。ここから新潟県内で農家や消費者の反対運動が広がり、最初に述べた、同県での規制条例制定に向けた動きが出た。


島根県・徳島県で新たな動き

 島根県で新たな動きが出てきた。同県はついに食用GM作物の研究を凍結することを明らかにした。これは2005年10月4日に開かれた県議会農水商工委員会で前原豊弘・県農林水産部政策推進室長が明らかにしたもの。その根拠として、県が昨年から今年にかけて行った県民600人を対象に行ったアンケート調査の結果、安全性に不安をもつ人が多かったのに加えて、有識者からの意見も踏まえて研究を凍結することにした。同県では、GMメロンを開発してきたが、農家・消費者の強い反対で研究が中止になっていた。今後、すべての食品用GM作物の研究は行わないことになった。

 徳島県も10月3日、GM作物栽培規制指針を本年度中につくることを明らかにした。県議会経済委員会の席上、県民ネット・豊岡和美議員の質問に対して大沼亮・県食料安全推進室長が答弁して明らかになった。交雑・混入の懸念が強まっている、というのがその理由。徳島県では、コープ自然派が中心になって、農家も参加したネットワークがつくられ、GM問題に取り組んでいる。その取り組みが成果を結んだといえる。
 この自治体の取り組みと連動させて、日本でのGMフリーゾーン運動のうねりをつくっていきたい。

天笠啓祐

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