遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン
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未承認の遺伝子組み換え作物が日本の市場に?!
シンジェンタBt10、最大で1万5000ヘクタール米国にて商業栽培

 安全性が確認されていない遺伝子組み換えトウモロコシが、米国で栽培され、流通していたと、米国の科学雑誌「Nature」のウエブサイトで3月22日、明らかになりました。このトウモロコシはスイスに本社のあるシンジェンタ社が開発したBt10という系統。土壌細菌の遺伝子を導入して殺虫毒素を作り出すよう組み換えられた、いわゆる「害虫抵抗性」トウモロコシです。
 米国政府は、昨年末にはこの事実をつかんでいたにもかかわらず、報道を受けて初めて関係各国に報告。日本政府に対しても3月23日、大使館を通じて以下のような報告がされました。

・シンジェンタ社から米国政府に対し、米国政府の安全性確認を受けていない遺伝子組み換えトウモロコシ(Bt10)の種子が誤って米国内の栽培農家に出荷され、2001年から2004年にかけて、最大で延べ1万5000ヘクタールで商業栽培されたと見積もられるとの報告があった。

・米国政府としては、関係当局(農務省、食品医薬品局、環境庁)における安全性評価の結果、食品・飼料の安全性、および環境安全性上の問題はないと判断し、栽培されたトウモロコシやその製品の回収はしていない。
・栽培用に流通しているBt10の種子については、シンジェンタ社によりすでに回収し廃棄され、今年作付けられることはない。
(農水省プレスリリースより抜粋)

米国の主張の受け売りにすぎない日本政府の対応

 米国では2000年、組み換えトウモロコシ「スターリンク」が食用のトウモロコシに混入した、いわゆる「スターリンク事件」が起こりました。
 スターリンクは、開発企業のアベンティス社に対して回収が命じられ、後に同社は、遺伝子組み換え作物の研究開発から撤退しました。これに対しBt10は、飼料としても食用としても承認されておらず、スターリンクのケースより深刻です。

しかし日本政府の見解は、「Bt10は安全性が確認されているBt11と同一のたんぱく質を生産しているので、食品安全上の問題はない」という米国側の主張を受け売りするのみで、厚生労働省が報道発表用にQ&A形式にまとめた資料でも、「Bt10が混入している製品を食べても大丈夫ですか」という問いに答えるかたちで、以下のように書いています。「米国政府の評価によれば、トウモロコシBt10を食用としても安全性に問題はないとしており、栽培されたトウモロコシやその製品の回収は行われていません。このため、仮に摂取したとしても、安全性の問題はないと考えられています」。つまり、安全性審査を経ていないのに、安全と宣言したのです。
 厚生労働省のとった以下の対応は問題です。

(1) Bt10に対する検査の準備ができ次第、輸入時検査を行い、混入していることが判明した場合には食品衛生法に違反するものとして積戻し等の措置をとる。

(2) 米国に対して、わが国に輸出されるトウモロコシにBt10が混入しないよう対応を要請する。

(3) シンジェンタ・ジャパン社には、Bt10の安全性を確認するために必要な資料を提出するよう要請する。
 シンジェンタ社はBt10に関する十分な資料を提供していないため、検査方法もありません。その結果、未承認の遺伝子組み換えトウモロコシが、なんの規制もなく日本に上陸しているのが現状です。米国政府の報告によると、Bt10の栽培面積は、トウモロコシ全体の0.01%。単純に計算すれば、2003年だけでも1500トンのBt10が日本に輸入されたことになります。

EUは実質輸入禁止
EU(欧州連合)の対応も、当初、日本政府と同様のものでしたが、4月31日、Bt10にアンピシリン耐性遺伝子(抗生物質アンピシリンに抵抗力を持つ遺伝子)が組み込まれていることが明らかになり、事態は一変しました。

 抗生物質耐性遺伝子は、人間と動物に抗生物質が効かなくなるおそれがあることから、欧州食品安全庁(EUで食品リスク評価を行う独立機関)は昨年(2004年)4月、「抗生物質耐性マーカー遺伝子に関する意見」を発表しました。その中でアンピシリンについては、人間用・動物用治療薬としての重要性を考慮し、アンピシリン耐性遺伝子の使用を実験用組み換え作物に限って認め、商業栽培用作物には使用不可としています。
 EUの行政機関である欧州委員会では、4月15日に緊急の投票を行い、Bt10が混入していないという証明書がない限り米国からのトウモロコシ・グルテン飼料およびエタノールの副産物である動物飼料を輸入しない、という緊急措置に出ました。米国では通常、遺伝子組み換え作物とそうでないものを区別して流通しておらず、これは実質的に、EUによる米国産トウモロコシ禁輸措置といえます。

 これにひきかえ日本政府は、なんら態度を変えていません。遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーンは4月12日付で、農水省、厚労省、シンジェンタ・ジャパンに対し、抗議と質問の文書を提出しました。農水省と厚労省に対しては、明確にBt10が混入していないという保証が得られるまで、米国産トウモロコシの輸入を停止すべき、と主張しています
清水亮子

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