天笠
啓祐
6月27日、厚労省薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会は、「安全性が確認された」として遺伝子組み換え食品・添加物を多数承認した。7月1日から審査が食品安全委員会に移行するため、駆け込みで承認されたものである。この時初めて、遺伝子組み換え作物同士の掛け合わせ品種が6種類(モンサント社のトウモロコシ3品種、ワタ2品種、デュポン社のトウモロコシ1品種)が承認された。
このような掛け合わせ品種の承認は、世界でも例を見ない。
安全性評価指針がつくられた当初、厚労省は遺伝子組み換え作物の安全審査に関して、遺伝子組み換え作物を親株として用いた後代交配種に関して、手続きは簡略化せず、ゼロから評価することを求めていた。しかし、その後、片方が遺伝子組み換え品種で他方が通常の品種の場合、安全審査を簡略化する見解に変更した。その後、遺伝子組み換え作物を親株として両方とも用いたケースも、安全審査を簡略化する見解に変更した。
次々と簡略化して、遺伝子組み換え作物の輸入を容易にしてきた。そして、食品安全委員会へ移行する直前に、6種類も承認した。
モンサント社の除草剤耐性大豆が、安全性審査後に、DNA断片が見つかるなど、さまざまな問題点が明らかになった。親世代の安全性に関してすら、科学技術のレベルが上がることで新たな問題点が見つかっている。これはこの技術がまだ未熟であることを意味する。ましてや後代交配種において何が起きるかは予測がつかず、未知の要因が多い上にDNAレベルの研究が未確立であるため、認可の条件の一つになっている、「組換えDNA技術により新たに獲得された性質が後代交配種においても変化していないこと」を確認することは事実上不可能である。
さらに8月1日に2種類の後代交配種が、食品安全委員会に申請された。
6月27日に承認された品種はいずれも、親世代が、除草剤耐性品種と殺虫性品種のどちらかで、子どもの世代は、両者を掛け合わせた品種である。ところが8月1日に申請された品種は、1つは親世代がすでに除草剤耐性と殺虫性の両方の性質を持ったもの同士であり、もう1つはダウ・ケミカルとモンサント社という別の企業の品種で、前者が除草剤耐性と殺虫性の両方の性質を持ち、後者が除草剤耐性のみの性質のものである。いずれも、掛け合わせて新品種を開発する可能性が皆無の後代交配種が申請されている。
なぜ、開発もしない品種を申請するのか。その理由は、花粉の飛散によって交雑が起き、意図せざる後代交配種が次々と誕生しており、それが未承認作物としてわが国に入ってくる可能性が高いので、それを避けるためである。
後代交配種の親株の組み合わせ
6月27日に承認されたもの
・モンサント・除草剤耐性(GA21)とモンサント・殺虫性(MON810)のトウモロコシ
・モンサント・除草剤耐性(NK603)
とモンサント・殺虫性(MON810)のトウモロコシ
・モンサント・除草剤耐性(NK603)
とモンサント・殺虫性(MON863)のトウモロコシ
・モンサント・除草剤耐性(1445)とモンサント・殺虫性(15985)
の綿
・モンサント・除草剤耐性(1445)とモンサント・殺虫性(531)
の綿
・バイエル・除草剤耐性(T25)
とモンサント・殺虫性(MON810)のトウモロコシ(申請はデュポン社)
8月1日に申請されたもの
・ダウ・ケミカル・除草剤耐性+殺虫性(281)
とダウ・ケミカル・除草剤耐性+殺虫性(3006)の綿(両品種とも未承認)
・ダウ・ケミカル・除草剤耐性+殺虫性(1507)とモンサント・除草剤耐性(NK603)
のトウモロコシ
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