遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン
ホームページは移動しました。

新しいホームページはこちらです。
http://www.gmo-iranai.org
クリックしてください

・74号トップ

・1 国内海外情報

・2 集会報告 北海道でのGM栽培規制を後押しする373,665筆の署名提出
申し入れと回答
 独立行政法人の北海道知事への意見書
 GM作物栽培規制の流れを条例に
 北海道GMO栽培ガイドライン

・3 独立行政法人のGMO栽培実験指針決まる

・4 生物多様性条約カルタヘナ議定書国内法施行「カルタヘナ法」の問題点
院内集会報告・GM汚染に対応しない「カルタヘナ法」
自治体による条例・指針づくりに対する農水省による介入に対する申し入れと公開質問状

・5 農民の権利が前面に出た国際条約発効へ


・6 EU情報

・7 各地から

キャンペーンニュース
トップへ戻る

農民の権利が前面に出た国際条約発効へ

************
天笠啓祐

 去る2月17日、衆議院議員会館で「カルタヘナ議定書」に関する省庁交渉が開催された。主な目的は、「同議定書の国内法がどれほど国内でのGM作物の栽培規制として働くか」を確認することだった。交渉の席で農水省側は、カルタヘナ議定書国内法が守る生態系の範囲に「農作物はなく」「日本には守るべき野生種がない」としたため、守るべき範囲が「雑草」だけという、なんともお粗末な国内法であることが判明した。

 その際、農水省は、農作物は別途考えると回答した。その「別途」を取り扱った国際条約が明らかになった。それが、農水省がこれまで批准を拒否してきた「食料農業植物遺伝資源に関する条約(ITPGR)」である。同省は、この拒否の姿勢を変更し、批准に向けて動き始めた。

 この国際条約は、FAO(国連食糧農業機関)が2001年11月に116カ国の賛成で採択した、生物多様性を保護するための条約である。生物多様性条約が野生生物を対象にしているのに対して、この条約は農作物を対象にしている。生物多様性条約と同様に、生態系を保護すると同時に、遺伝資源の有効利用や、資源国である第三世界への利益還元といった問題が含まれている。

 対象となっている作物は、アスパラガス、ビート、ココナツ、ニンジン、イネ、コムギ、トウモロコシなど35種類の作物と、マメ科牧草やイネ科牧草など29種類の飼料用作物である。主に第三世界でつくられつづけてきた作物を保護し、その遺伝資源を有効利用し、得られた利益を還元するのが目的である。
 この条約は、今年中に欧州や第三世界が批准する予

定で、発効が有力になってきた。日本政府は、この条約に関して、生物特許・遺伝子特許がとれなくなる可能性があるとして、米国とともに事実上の反対にあたる「棄権」の態度をとってきた。
 しかし、批准をしないと、今後の議論は締約国会議で進められるため、自分たちの主張が反映されなくなると判断して、態度を変え、批准をすることになった。

 なお、この条約には、その他にも農水省が批准を行いたくない理由がある。それが、農民の権利保護が最優先になっていることである。前文で、農民の権利を優先することが述べられている。「第3章・農民の権利」で、農民の権利を手厚く保護することがうたわれており、「農民の権利を保護、促進するための措置」として「食料農業植物遺伝資源に関連した伝統的な知識の保護」「食料農業植物遺伝資源の利用から生じる利益の配分に公平に参加する権利」「食料農業植物遺伝資源の保全と持続可能な利用に関連した事柄に関する国レベルでの意思決定へ参加する権利」がうたわれている。

 これをシュマイザー事件と比較してみれば、その意義は分かりやすい。農民の権利よりも企業の知的所有権を優先したモンサント社の横暴さが許されないことになる。このように知的所有権よりも農民の権利を優先している内容が不満だとするならば、農民のためではなく、企業のための農水省であることがより鮮明になり、同省不要論がでてきても不思議ではない。
 この条約の中で、GM作物がもたらす生物多様性の破壊や、生態系の破壊から、どう農作物を守っていくかは、今後の締約国会議での議論を待つことになりそうだ。

目次へ