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2004年7月5日 
有機消費者協会 GMウオッチ・デーリー(http://www.gmwatch.org)より

スターリンク汚染、その後


1.スターリンク裁判が解決に向け前進

「スターリンクはバイテク企業にとって消費者の感情以上に懸念が大きいことを示す」「集団刑事訴訟は来るべき大きな事の準備だ。それは開発の息の根を止める力になるだろう。GM小麦など、世論が良いと言っても抹殺されるかもしれない」とアメリカ刑事弁護士協会の農業マネージメント委員会委員長でセントルイスに本拠を置く弁護士、トーマス・レデイックは語った。全国コーン生産者協会(NCGA)はこの和解裁定を「正しい方向への第一歩だが、この支払い額ではスターリンク災害で大損害を蒙った農家にとってはバケツの中の一滴に過ぎない」と語った。

 全国コーン生産者協会によれば、スターリンク集団訴訟の一部として昨年提訴したコーン農家は、もうじき損失の補償を受け取るかもしれない、という。1998年から2002年の間にコーンを栽培した数千人の生産者が「非スターリンク農家訴訟」の和解で損害賠償を受け取る資格がある。ネブラスカ・コーン委員会による度重なる要請を受けて、ニューヨークに本拠を置く弁護士事務所、ザ・ガーデンシテイ・グループはスターリンクをめぐって1万5千以上の訴訟が起こり、このうち6%だけが不適格だった、と明らかにしたとNCGAは報告し、不適格となった生産者らはその訴訟の訂正手続きを説明する手紙を受け取った、と付け加えた。

 「スターリンクのジレンマは、スターリンクを作った農家だけでなく全てのコーン生産者にとって不幸な出来事だった。コーンの値段が下落し、コーン産業全体に影響を与えた。まじめなコーン生産者が結局失った市場分のいくらかでも取り戻せるのはうれしいことだ。」とNCGAは声明のなかで述べた。NCGAはこの和解裁定を「正しい方向への第一歩だ。しかし、この支払いは、スターリンク災害で損害を受けた農家にとっては、バケツの中の一滴にすぎない」と言った。

 スターリンク・ロジステイクス社とアドバンタ社USAは、全国非スターリンク商業コーン生産農家との和解金として、利息を含めて総額1億1220万ドルを支払うことで合意した。ザ・ガーデンシテイ・グループの推定によれば、示談資格のある農家は1エーカー当たり1から2ドルのお金を銀行振込で受け取るだろう。「スターリンクはバイテク企業が消費者の感情だけ気にしていれば良いわけではないことを示した。この集団刑事訴訟は次に来るもっと大きな事の序の口だ。それは開発の息の根をとめる力になるだろう。バイテク小麦のようなものも、例え世論が良いと言っても抹殺してしまうかもしれない」とトーマス・レデイックは言った。
(農薬と毒性科学物質ニュース2004年7月14日より)

*この訴訟の詳細は:
http://www.nonstarlinkfarmerssettlement.com/

2.スターリンクの大失態の教訓

 スターリンクの大失態は2000年10月にアベンティス社のスターリンクと呼ばれるGMコーンが人の食用に認可されていないにも拘らず、わずかにアメリカのタコスの皮に見つかったことから始まった。その結果は300品目に及ぶ大規模な回収につながった。このスターリンク遺伝子はまた、思いがけなく、別の企業のコーンとアメリカの輸出コーンにも見つかった。スターリンク騒動は農業にGM作物を使うことの意味を広く知らしめた。

大きな汚染要因
 「アイオワ州ではスターリンクは全コーン栽培のたった1%しか占めていない。にもかかわらず収穫物の50%を汚染した」とABCニュース(2000年11月28日)は伝えた。アイオワ州立大学の農学者デール・ファーナムは「コーンの花粉がどこまで飛んでいくかなんて誰にも分からない。ある研究では4分の1マイルだとも言っている。アベンティス・クロップサイエンス社は水曜日に、何故スターリンク以外のコーンがスターリンクのCry9Cタンパク質を作り出しているのか説明に四苦八苦していた」と言った。

 2000年11月22日付のユナイテッド・プレス・インターナショナル紙は、スターリンクとは違う別の品種がCry9Cを作っている、と報じた。GMと非GMが収穫後に不注意で混ざる可能性について、デール・ファーナムは、「安全規則はない。農務省は世界中で食品には禁止されていて、最近になってアメリカが輸出を承認したコーン(スターリンク)が混ざっていることは知っていた、と主張している。このコーンを開発したフランスの企業アベンティス社は1999年から2000年にかけてアメリカのコーンベルト一帯にこのコーンを売った、とも言っている。だからスターリンクはどこにでもあるんだ」という。

 アメリカの農業ジャーナリスト、アラン・ゲバートは「ファーマーズ・ウイークリー」紙の2000年12月8日号に「これは大きなレミング・ファクターだ。(訳注:ポピュラーであればあるほど伝播しやすいの例え)。ファ・ファ・ファファ・ファクション!」と書いている。イリノイ大学植物病理学者のドナルド・ホワイトは、アメリカの農民達が何故GMコーンに走ったかについてこう述べている。「……群集心理のせいだ。誰もがバイテク計画に乗らなけりゃいけないと思い込んだんだ」。
こうしたホワイトの見解は、アイオワ大学で何故農民がGM大豆を栽培したかを研究した結論で「……半数以上の農家が、作物の収量が増えるといわれてGMO大豆を植えた、しかし、実際は、収量は低かったというのは興味深い……」という見解を述べていることとも一致する。

巨大な経済効果
 スターリンクで巨大バイヤーへのアメリカのコーン輸出は傷つけられた。「……東京の貿易商は水曜日にスターリンクのCry9Cタンパク質が別の品種に広がった、と分かっただけで、アメリカの遺伝子組換えでないコーンに対する疑いが深まった、と言っている」。しかし、1999年にはスターリンクはまだヨーロッパに輸出されていなかったのに、アメリカは非GMコーンの供給が出来ないという理由で輸出は96%も落ち込んだのである。

悪い将来への影響
 アメリカのコーン農家で、ネブラスカのGM種子セールスマンでもある人が2000年12月に「やつら(アメリカ政府)はこんな化け物を作り出した。こんなものは一掃しなければ。私は学んだんだ。この農場ではもうGM作物は出来ない、金輪際」と言った。
◎すべての引用は特に断りがない限り、2000年11月22日のロイターの記事「世界市場にGMOの苦い味を残したコーン」より。
(ファーマーズ・ウイークリー紙2000年12月8日号より)

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訳 河田昌東