
遺伝子組換え作物の栽培に関する滋賀県指針
|
農政課 企画調整担当
平成16年(2004年)8月20日
滋賀県
|
1 遺伝子組換え作物に対する現状認識
(1)遺伝子組換え技術は、バイオテクノロジーの中核的技術として大きな可能性を持ち、食料問題や環境問題等を解決する上でのキーテクノロジーとして位置づけられる。
(2)遺伝子組換え作物の栽培面積は、世界で6770万ヘクタール(2003年)に拡大しており、大豆の95%を輸入に依存しているわが国では、国内消費の約6割が組換え大豆といわれているが、現時点では国内における商業的な栽培は行われていない。
(3)遺伝子組換え作物の使用等による生物多様性影響の防止については、「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(以下「カルタヘナ法」という。)」(平成15年法律第97号)による第1種使用規程(開放系での使用)の承認を通じて確保される仕組みが構築されている。
(4)遺伝子組換え作物の食品としての安全性審査については、内閣府食品安全委員会による食品健康影響評価の結果をもとに、食品衛生法に基づき、厚生労働省によって安全性の確認が行われている。
(5)一方、遺伝子組換え作物については、依然として消費者の不安が払拭され、安心して受け入れられる状況に至っておらず、生産者にとっても、遺伝子組換え作物と一般農作物との交雑や混入の懸念などの不安を抱えている状況にある。
2 指針策定のねらい
(1)最新の科学的知見のもとで、国による遺伝子組換え作物に関する安全性の確保が図られているものの、消費者や生産者の不安から発生が懸念される本県農産物に対する風評被害や生産・流通面における混乱の防止を図る。
(2)とりわけ、本県では環境こだわり農産物の認証制度を創設し、そのブランド化を推進していることから、遺伝子組換え作物の栽培については、本指針に基づき慎重な対応を求める。
(3)消費者や生産者、研究機関、さらには行政機関等相互のコミュニケーションを充実することにより、遺伝子組換え作物等に関する理解の促進を図る。
3 指針の位置づけと適用範囲
(1)本指針は、県内における当面の遺伝子組換え作物の栽培に関する取扱いを定めた生産者向けの指針とし、今後の技術革新や県民の理解の状況等を踏まえて、指針の内容を検証し、見直しを行う。
(2)本指針は、カルタヘナ法による第1種使用規程の承認を受け(カルタヘナ法附則第2条第3項の経過措置が適用されるものを含む)、かつ食品衛生法に基づき食品としての安全性が確認された遺伝子組換え作物の県内一般ほ場における栽培に適用する。
4 県の方針
(1)一般ほ場における栽培の取扱い
<1> 県は、遺伝子組換え作物の栽培計画を事前に把握するため、市町村や農業団体等の協力を得ながら、生産者および生産者に委託して栽培を行う者(以下「生産者等」という。)に対して情報の提供を求める。
<2> 上記<1>により栽培計画を把握した場合、当該作物の実用(商業用)栽培を行おうとする生産者等に対しては、関係市町村および農業団体の協力を得て、その栽培の自粛を要請する。
<3> 上記<1>により栽培計画を把握した場合、当該作物の試作(試験栽培)を行おうとする生産者等に対しては、ほ場周辺の地域住民への情報の提供を行うとともに、生産・流通上の混乱を招かないよう、農林水産省が定めた「第1種使用規程承認組換え作物栽培実験指針」に準じて隔離距離をとるなど、周辺農作物との交雑や収穫物の混入防止等の措置を講じることを要請する。
<4> 県は、遺伝子組換え作物の栽培が行われていることが判明した場合には、関係市町村および農業団体の協力を得て、速やかに実態を調査するとともに、当該生産者等に対し、その栽培について上記<2>または<3>に準じた対応を要請する。
<5> 実際に、一般ほ場において栽培が行われた場合には、県は関係者の協力を得て、栽培状況等の調査を行うとともに、栽培終了後に、生産者等に対して栽培状況ならびに交雑・混入防止に関して講じた措置等について報告を求める。
(2)遺伝子組換え作物等に対する県民の理解の促進
<1> 県は、遺伝子組換え技術をはじめとするバイオテクノロジーについて、消費者や生産者等の関心に的確に対応した、正確できめ細かな情報提供を行い、遺伝子組換え作物等に対する理解の促進に努める。
<2> 県は、遺伝子組換え作物の栽培等に関する情報交換等を行うため、必要に応じて市町村や農業団体等との連絡会議を開催する。
|
5 検討委員会の設置
県は、本指針の検証および見直し等について意見を聴くため、学識経験者、消費者および生産者等で構成する検討委員会を設置する。
お問い合せ先
|
滋賀県農政水産部 農政課 企画調整 担当
電話:077-528-3812 FAX:077-528-4880 |
|
|