滋賀県の指針(ガイドライン)は原案通り8月24日に策定されました。このガイドラインに関して市民運動ネットワーク滋賀の池田進さんが滋賀県に対して意見書を提出しましたので、紹介します。
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滋賀県では昨夏、県内で遺伝子組み換え大豆が栽培されていたことが発覚した際に、知事が遺伝子組み換え作物の栽培を規制する県独自のガイドラインを作ると明言しました。この発言を受けて専門家を中心とした審議会が開かれ、ガイドラインが検討されました。実用(商用)栽培に関しては「県は栽培自粛を要請する」ものの、試験栽培に関しては農水省の栽培指針さえ守れば事実上栽培を容認するという、非常に問題の多いものです。
このため、私どもは試験栽培に関しても実用栽培と同様の規制を課すようもとめる要望書を出しました。 |
| 市民運動ネットワーク滋賀・事務局 池田進 |
市民→國松滋賀県知事 要望書
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1、 県の案では「試験栽培」と「実用栽培」に区別した規定が設けられていますが、試験栽培であっても実用栽培であっても周囲の生態系・環境に与える影響は本質的に同じものです。したがって、北海道および茨城県のガイドラインと同様に「試験栽培」と「実用栽培」を区別せずに、「栽培目的が何であろうと、遺伝子組み換え作物の栽培が県内で行われようとしている場合は、県は関係市町村および農業団体とともに、その栽培の自粛を要請する」とする規定に改めて下さい。「試験栽培」と「実用栽培」を区別してガイドラインを作ることがどうしても必要であるというお考えの場合は、その科学的、論理的な根拠を明確にご説明下さい。
2、 試験研究機関、大学、企業による研究を目的とした試験栽培であっても、開放系での遺伝子組み換え作物の栽培が周囲の生態系などへ与える影響は、生産者が栽培を行った場合の影響と本質的に同じものです。したがって、試験研究機関、大学、企業による栽培も県のガイドラインの対象に含め、生産者による栽培に対する上記1の規制の対象とし、徹底した情報公開の義務を課して下さい。試験研究機関、大学、企業による栽培を県のガイドラインから除外する場合は、除外しなければならないことの科学的、論理的根拠を明確にご説明下さい。
3、 県のガイドライン案の「1,遺伝子組換え作物に対する現状認識」の内容に、未だ発展途上の未完成な技術であり、長期的な生態系や他の生物・人体への影響などをはじめとした未解明の問題点が存在している技術であることを明記して下さい。
「次世代に責任を持つ」ためのガイドラインのあり方を考慮され、以上の要望事項に関して、県のガイドラインの最終案が決定されるまでに、知事自らが書面により明確にお答えくださるようお願いいたします。 |
國松滋賀県知事→市民 要望書 |
要望書を拝見いたしました。ご説明等をいただきました本県の遺伝子組換え作物の栽培指針(原案)について、説明をさせていただきます。
お読みいただきました指針原案にも掲げておりますように、遺伝子組換え作物の安全性につきましては、最新の科学的知見のもとで、@生物多様性影響の防止については、「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(カルタヘナ法)」による第1種使用規程の承認によって、A食品としての安全性については、食品衛生法に基づき、安全性が確保される仕組みが構築されていると認識しております。
このように国による遺伝子組換え作物に関する安全性が確保されているとはいえ、現時点では、生産者や消費者の方々が組換え作物を安心して受け入れられるという状況になっていないことから、本県の農産物に対する予期せぬ風評被害や生産・流通面における混乱の防止を図ることを目的として県独自の栽培指針を策定することとしました。
この中で、特に消費者の皆さんの関心が高く、また不安の中心にあると考えております食用として流通させることを目的に遺伝子組換え作物を一般ほ場で栽培することについては、生産者等に慎重な対応をお願いするため、実用(商業用)栽培については自粛を要請することとしたものです。
なお、この指針の対象とはしておりませんが、大学や試験研究機関等においても、遺伝子組換え作物等に対して消費者が抱える不安の解消に徹底して努めていただくとともに、厳格な基準のもとで、高い倫理観と責任感を持ち、バイオ研究を進めていただくことが必要であると考えております。
この指針原案の作成にあたりましては、湖国農政懇話会の遺伝子組換え作物栽培指針検討部会において、学識経験者や生産者、消費者、流通業者のそれぞれの立場からさまざまなご意見やご提案をいただき、これに基づき原案をまとめてまいりました。
今後とも、消費者や生産者、研究機関さらには行政機関等のコミュニケーションを一層充実し、遺伝子組換え技術や組換え作物に関する正しい理解の促進に努めていきたいと考えております。
この原案につきましては、県議会のご意見を聴いた上で指針として策定し、公表したいと考えておりますので、ご理解をお願いしたいと思っております。
池田さんのご健康とご活躍をお祈りします。
平成16年8月
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| 滋賀県知事 國 松 善 次 |
| 滋賀県指針は原案通りですが、指針策定のねらいの原案(2)にあった「交雑・混入の懸念を払拭するために」という表現が削除されています。北海道・茨城県のガイドラインには前文に明確に表現されていますが、滋賀県の場合はこの部分がないということになります、と池田さんの指摘がありました。 |
| (編集部) |
| 遺伝子組換え作物の栽培に関する滋賀県指針 |