遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン
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タイで進む持続可能な米作り タイ東北部イサンはジャスミンライスの故郷です。以前、ジャスミンライスの種子が国際稲研究所によってアメリカのフロリダ大学にわたり、パテントが取られそうになって猛烈な抗議活動が起きました。ジャスミンライスはこの地方でしかできない大切な米です。また、おいしい米として海外へも多く輸出されています。そのジャスミンライスの産地では、化学肥料を多投する農法から脱して、有機農業に転換する農家が多くなってきています。彼らにとって反GMO(タイではGMOという言葉が普通に使われています)の運動は、伝統的な稲作と種子を守る運動として捉えられています。 集会会場のスリンの「スワン ラク パーク」は、毎土曜にグリーンマーケットが開かれ、近在の農家の有機農産物が売られています。集会はグリーンピースと共に地元の有機農業団体や農家をサポートするNGO、水や森を守るNGOが共同で主催しました。民族舞踊の楽団やミュージックグループの演奏もあり、その中で「GM稲はいらないセミナー」が開かれました。 タイではGM作物の裁培は認められていません。しかし、アメリカで開発されたGM稲が入ってくる可能性、そして中国が今年GM米の商業裁培にふみきるかもしれないという恐れもあって、ジャスミンライスの生産者はGM稲に対して不安感を持っています。集会にはスリン県の知事が来て、「GMO稲はタイではいらない。持続可能な有機農業を進めよう」となんとも力強い演説をしました。タイの中央政府、タクシン政権も有機農業を推奨しています。もっとも、農薬を売る先進国に配慮してか、化学肥料を徐々に減らしていくのが良いとトーンは低いのですが、より安全な輸出作物が求められていることに答えなければならないという事情が見え隠れします。 翌日、有機農業生産者のグループを訪問し、タイの有機農業の実態を垣間見ることができました。 「14年前に有機農業グループを結成。目的は、自然の米を作ること、環境を守ること、種子を守ることの3つ。現在近くの3村で70人の会員がいるが、1つの村で10%程度の会員しかいない。有機農業に転換するには4〜5年かかる。化学肥料で荒れた土を堆肥を使って良くしていくことが必要。その間はなんとか暮らしてはいるが大変だ。それがネックでなかなか有機農業が普及しない。農作物の売り先は近くのマーケットだが、消費者は安全だからというより安い方が良いといって有機農産物を買ってくれない。有機栽培のジャスミン米は現在グリーンネットというNGO団体が外国への輸出を担ってくれていて、80%が輸出されている。」 日本の有機認証と同じような有機米を保証する制度もあり、輸出用の米には生産者の名前と国による有機農業の確認書(モコトーン)を付けています。確認の方法は、家の中に化学肥料の袋があるかを見る、栽培方法を聞き取る、田と畑の見学が主で、土の検査は行なっていません。化学肥料を使うと緑の稲の葉がオレンジ色になるので、それで確認ができるからということです。川下の田では化学肥料が入ってしまうことがあり、土を検査することは生産者の誇りを失わせることになる、「土より人を見る」というタイ人らしいおおらかな確認方法です。生産者は前向きに農業に取り組んでおり、1本植えの苗がどう育つかなど研究している人もいました。しかし、村にはお嫁さんが来ないなど、どこの国も同じような事情を抱えていることもわかりました。 タイにおける遺伝子組み換え食品 「現在タイでは、遺伝子組み換えの大豆やトウモロコシが輸入されていますからGM食品を食べているのです。日本とほぼ同じ表示制度がありますが、やはり表示がある物は少ないです。ネスレの大豆飲料やベビーフードにはGMOが入っていて、表示があります。ネスレとは何度も交渉していますが、決して非組み換えの作物に変えません。政府にも今の表示制度では消費者を守れないと訴えていますが、担当大臣は、日本がお手本、日本の人々がこれで良いといっているのだからと、変える姿勢は見せません」とグリーンピースタイのGMOキャンペイナーのエアーさんが説明してくれました。 スリン集会で、私に対して「日本では120万もの署名を集めて、GM食品の表示制度を作らせたほど消費者運動が強いのに、なぜアメリカからのGM作物の輸入を拒否できないのか」と質問が出ました。「今の表示制度では一番多く使われている油や飼料に表示がないから」と答えましたが、アジアの人々の真にお手本になるような表示制度を実現しなくてはならないと改めて思いました。タイでもグリーンピースや消費者団体が完全な表示を求めて今、署名活動を行なっています。 GMパパイア事件 昨年7月、コンケンでGMパパイアが裁培されていることがわかりました。グリーンピースがサンプルをとり、香港の研究機関で検査したところGMパパイアであることがわかりました。調べてみると、国の研究センターが販売したパパイアの種子を農家が裁培していたことがわかったのですが、国はセンターによる種子の販売を否定しています。それどころか、グリーンピースが研究センターに入って、パパイアの種を持ち出してそれが裁培されたのだと、グリーンピースを逆に訴えています。 国はGM作物の裁培を認めていないのに、国自身がGMパパイアの開発に手を染めていたことが明らかになったために、国民の目を国からそらすためにグリーンピースを訴えたのだということです。私が滞在していた時見た新聞では、GMパイナップルの開発が行なわれているという記事が出ていましたが、どこの国にもGM作物を研究したがる人がいるのだなと思いました。 ともかく世界一の米輸出国タイで、「GM稲はいらない、持続可能な有機農法による米作りを」という運動が進んでいることを報告します。 |