遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン
ホームページは移動しました。

新しいホームページはこちらです。
http://www.gmo-iranai.org
クリックしてください

遺伝子組み換えイネに反対する
ライスキャラバンinタイ


石川豊久

2005年1月10〜24日にかけて、タイ国東北部(イーサン)で、グリーンピース東南アジア支部の企画による、遺伝子組み換えイネに反対するキャンペーン『ライスキャラバン』が行なわれました。いずれも有機米の生産のさかんなロイエト、ウボンラチャターニ、ヤソトーン、スリンの各県を自動車によるキャラバン隊が巡回しました。私たち“遺伝子組み換え食品を考える中部の会”の代表2名は、19〜20日に行なわれたヤソトーンでのキャンペーンに参加しました。

生産者団体「ヤーソー」と東北部の稲作

 ヤソトーン県クッチャムには「ヤーソー」という有力な生産者団体があります。ヤーソーは約1200世帯の農家からなり、うち200世帯が有機米生産者です。ヤーソーは約30年前に結成され、15年前に有機認証を得ました。現在も新規参入の農家が増え続けていますが、有機をめざす農家に限り入会を許しています。

 海抜200mほどのここイーサン地方は、どこまで行ってもまっ平らで水量の豊富な川がなく、土質は砂土のため水持ちが悪く、雨の降らない乾季には作物がまったくといっていいほど育ちません。そのためタイ中部地方のような二毛作はできないため、乾季には出稼ぎをしなくてはならないほどです。

 かつて、「緑の革命」といわれる農薬や化学肥料を多用することで推し進められた農業の合理化、そしてグローバル化は、環境の汚染、中小農家の経営悪化を招くのみでした。そして遺伝子組み換え作物による「第二の緑の革命」の波及には、世界中で大きな反発が起きているのが現実です。

 周知のようにタイ国は世界一のお米の輸出国です。そのため世界中の様々なニーズに合わせた米作りが行なわれています。タイ東北部イーサンの有機米への転向の動きは、中部の稲作に対するハンディを克服するばかりでなく、本来の農業への回帰ともいえる文化運動といって過言ではありません。ヤーソーの有機米生産のための第一歩は、まず農家が借金をなくし、自立するところからはじまっています。有機米の籾(もみ)の価格が農薬を使った慣行のそれの2倍で取引される点も、イーサン地方の農家が有機農業へ積極的に転換するきっかけになっています。

稲作のかたち

 ヤーソーの有機米生産の活動拠点ともいえる精米施設を見学させてもらいましたが、その規模の大きさには音羽米研究会の鈴木農生雄さんも驚いてしまうほどでした。ヤーソーの標準的な農家の水田面積は約3町歩。これは日本の農家の10倍近くとかなり広いものです。しかしながら、さらにおどろいてしまうのは、米作りのほとんど(苗作りから稲刈りまで)を手作業で行なってしまうことでしょう。この地方での唯一の農耕機械は、日本ではもう姿を消しかけている「耕運機」なのです。借金をなくすという目標が達成されてきた現在、自動車などの利器への取得願望も今後の課題であるようです。

ヤソトーン市でのキャンペーン

 1月18日の市内デモ行進ではヤーソーの農家、グリーンピースのスタッフらと翌日のGMイネ反対集会のPRをしました。そして翌19日の集会は200人以上の農家が集まり、ヤソトーン県庁近くの小学校体育館で行なわれました。この集会で県副知事は「今までの有機米生産者の努力には非常な敬意を表する。今後はそれを後押しし、推進してゆくための農業政策を打ち出してゆく」というような、たのもしく積極的な弁を振われました。さらに遺伝子組み換えイネに反対の意志も表明しました。

 午前と午後、一時間ずつあたえられて、“遺伝子組み換え食品を考える中部の会”や音羽米研究会の活動について発表しました。2002年に中止に持ち込んだ愛知県農業総合試験場とモンサント社が共同研究していたGMイネへの反対運動と、現在問題になっているナタネ輸入港周辺でのGMナタネ自生の自主調査について、そして日本の米作りについて、スライドを交えて説明しました。

ヤソトーン県の農家の反応

 ぼくたちの日本におけるGM事情の説明に対するヤソトーン県の農家の反応はまことに真剣そのものでした。ぼくたちがGMナタネの判定に使っている試験紙の使い方の実演には人だかりができるほどでした。今タイ国で問題になっているGMパパイヤの判定に使える試験紙はないか、とか、日本でのGMイネ反対の運動はどのようにして進められたのか、など。あとの質問の時間には、GMの問題点よりもむしろ現実的な事柄への質問が寄せられ、ぼくたちにも「もしかするとタイ国ではGMイネの波を確実に止められるのかもしれない」という思いが感じられました。

 ヤソトーン県の米農家は、彼らが受け持つであろう何千何万人もの消費者に対して、必ずや非GMの強い意志を伝えるだろうし、農業を商業化の波でグローバル化しようとする大国の戦略をもくつがえす力になるに違いありません。

目次へ