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つくば・ガイドライン検討会報告

つくば・市民ネットワーク 宇野信子

 つくば市には遺伝子組み換え(以下GM)作物の実験栽培を行なっている研究所が集中しているが、その栽培規制については茨城県の方針があるだけで罰則や強制力はない。そのような中、つくば・市民ネットワークはGM作物の栽培規制を一貫して主張してきた。その成果として市民を交えた検討会の設置が6月議会で決定された。

 これを受けて私達は代理人をフルに活用し検討会の準備をした。委員構成案が農業生産者4名、JA2名、消費者3名、研究者2名、学識経験者1名、県担当者1名、議員1名であるという情報を得たので、早速担当課であるつくば市農業課へ次のような要望を提出した。

(1) 生産者には有機農業生産者を含める
(2) 消費者はGM問題に取り組んでいる団体(生協団体等)を入れる
(3) 研究者はGM作物栽培の当事者なので、委員に含めず、必要時、情報・意見を聞く
(4) 委員の公募をする
(5) 検討会は公開する
(6) 国内のGM規制・条例の学習会を行なう
(7) 会期中に市民の意見を聞く場を設ける
これらのうち、(1)(2)(5)はほぼ実現したが、(3)(4)は聞き入れられず、(6)(7)については検討会の中で協議するという回答であった。

この時点で「国のカルタヘナ国内法と県の方針で十分」という経済部長の姿勢が見えたため、危機感を持った私達は、県内でGM反対運動を展開している「遺伝子組み換えいらない茨城ネットワーク」に応援を求めた。茨城ネットワークは検討会に向けて、つくば市経済部長、農業課との懇談会を実施した。
懇談では、つくば市の農業の現状や農業政策について経済部長・農業課長・担当者とかなりつっこんだ話し合いができた。つくば市が有機農業を積極的に取り入れ、市の特徴にしようと考えている点や、茨城県の方針の背景などがわかり、検討会に向けて有効な材料が得られた。

かくして9月26日、第1回「GM作物栽培に係る方針検討会」が開かれた。当初予定の検討会メンバー14名の委員が委嘱され、座長には筑波大学・永木教授が互選された。
そして、この検討会の目的を『つくば市におけるGM農産物の栽培に伴う、市民の不安や風評被害による混乱等を未然に防ぐため、GM農産物の栽培に係る対応策を検討する』と全員で確認した。
会議では、農業生産者から「安心安全なものを求める消費者の声に応えることが生き残る道。東海村の事故のような風評被害が一番困る」「被害が出たときの責任はどこが取るのかを検討してもらいたい」という意見が出た。
これに対し研究者から「風評被害が起こるのは情報が不十分なので徹底した情報公開が重要。GM作物の安全性は、法律に基づいて承認を受けており、情報公開も行なっている。消費者は、なんとなく不安というだけではないか」旨の発言があった。

これに対し、消費者として参加したつくば・市民ネットワークは、米国等での除草剤耐性スーパー雑草の発現と、農薬使用量増加や残留農薬基準緩和の現状を報告し「消費者はなんとなく不安なのではなく、そういう情報があるから食べたくないし、作ってほしくない」と反論した。
この後、座長から「安全性についてここで議論するには問題が大きすぎる。この検討会では、GM作物を食べてもいいという人もいれば、食べたくない人もいるという前提で、食べたくない・作りたくない人も納得できる方法を考えましょう」と提案があり、全員が合意した。

また、議員から「研究する側の倫理観はどうなっているのか」、JA理事から「県の方針は実際にどう運用されているか」などの質問が出た。さらに、カルタヘナ国内法やGM作物の現状について委員間で情報が不十分と判断され、次回は法律や県の方針・運用実態など現状や情報を共有する運びになった。 
今回、GMについて様々な立場の人が一堂に会して意見を交わす機会を得て、生産者が「GM作物に対してかなり慎重な姿勢である」と確認できたのは、大きな収穫であった。

また、筑波大学GM研究における2度の事故経験から、研究現場の管理が不十分であると座長が率直に認めた発言をしたのは、明るい材料と思われる。
しかし一方で、国のGM開発グループで著名なT・O両氏が参加しており、今後GM研究の正当性や安全性を強力に主張してくるであろうと予想される。

以上のように、検討会の方向性はまだ不透明であるが、近日、茨城ネットワーク主催でGM学習会の開催も計画されている。
つくば・市民ネットワークは、GM作物の安全性は確保できていないという立場にたち、生産者、消費者の声を結集して実効性のある規制を提案していく決意を新たにしている。

ナタネ自生問題についてのカナダからの再回答
2005年9月22日
お手紙をありがとうございました。貴国に輸出されているカナダ産のナタネについて、日本消費者連盟の懸念が述べられておりました。この重大な問題について皆様方の見解をお知らせいただき、感謝しております。2004年に貴国へ輸出されたカナダ産のナタネは6億7300万ドルにのぼります。貴国は我が国のナタネ産業にとり、最も大事な輸出先です。

 カナダでナタネを栽培している農家のほぼ50%は遺伝子組み換えされたナタネを栽培しています。カナダでは、遺伝子組み換えされたものを含め、新しい品種はすべて、許可を得なければ、市場に出せないことになっています。ですから、これらの作物は徹底的に検査されており、環境にとっても、食物や飼料としても、安全であることを示しています。カナダでは新種を環境中に放すには必要な許可を全て得なければなりません。同じように、カナダのナタネ輸出業者は輸入国の要請に応じなければなりません。カナダでは、カナダの遺伝子組み換えナタネの安全性を評価し、日本はそれをGM植物の環境アセスメントのガイドラインにそって認可しました。カナダ産のこれらのナタネは、食物として、家畜の飼料として、日本への輸入を正式に認められました。

 もし、遺伝子組み換えナタネの規制や安全面でのアセスメントについて、詳細をお知りになりたいようでしたら、カナダ食品検査庁のウエブサイトをご覧下さい。
http://www.inspection.gc.ca/english/plaveg/bio/pbobbve.shtml

日本の政府は、日本の生物多様性と在来種の保護に真剣に努め、その状況を評価し、監視をし続けると述べています。これについては、カナダ政府も同じように監視しておりますことをお伝えします。日本政府は、カナダ産のナタネは日本産とは異種だが、日本産を駆逐するものではないとの結論を出しています。また、日本政府は国内にカナダのナタネ(Brassica napus)と交雑する野生の在来種はないから、生物多様性に影響を与えるようなことはなく、カナダ産のナタネが野生種と競合することもない、と結論を出しています。

 私は日本政府が、生物多様性条約を実施するための新しい規制のもとに環境アセスメントを見直していることを承知しています。日本政府か環境アセスメントを適切に見直すことで、カナダ産のGMナタネを輸入すると日本の環境が危うくなる、というようなことにはしたくないものです。
 これでお役に立てれば幸いです。もう一度、このとても大事な問題について皆様の懸念を述べてくださいましたことに感謝致します。
Andy Mitchell(アンディ・ミッチェル)
翻訳 清水洋子

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