遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン
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GM動物の基準を作ることが今回決まった。GM動物が市場に出ることについては様々な問題がある。予期しない毒素が動物の組織に生じたり、品質が変ってしまう問題。特にGM動物特有のトランスポゾンという、遺伝子が動きまわり、他の遺伝子を活性化して病気や障害を動物やそれを食べる人間にも引き起こす懸念がある。どういう基準を作るかが問題だが、他の正当な要因として、宗教、道徳、倫理、環境影響を踏まえた議論をすべきだ。このGM動物に関する作業部会が立ち上げられ、オーストラリアと日本が素案を2006 年4月までに作成することになった。 食品成分の比較分析も行う。非組み換えの食品と比較するものだが、先進国で裁培されているトウモロコシ、小麦、米などについては栄養成分の情報の蓄積があるが、途上国で食べられているキャッサバ、ソルガム等については情報の蓄積がないので問題だ。この問題はOECDが行っているのでコーデックスではやらないとなったが、06 年の本部会以降、ビタミン強化米、栄養強化ソルガムについてはカナダがまとめた案を検討することになった。 日本が提案したスタック・ジーンについては、アメリカは提案せず、ヨーロッパからは安全性評価は 必要だなどの議論があったが、日本は提案を撤回し、議題にはしないことになった。かけあわせの時、相互作用が起きたり、遺伝子が不安定になったりする問題がある。 医薬品を生産させるGM植物、プラスチック等の成分を作らせるものは食品でないからと各国とも 扱わないことになった。未承認作物の混入については、アメリカとその業界が最も優先順位の高いものとして提案している。汚染があった場合も合法化しようとしている。ECも提案しているが、この2者の間で合意には至らなかった。
未承認GM食品の混入による汚染の問題は、ヨーロッパでは消費者や業界に影響があるだけでなく、法制度にも影響を与える。改正された新たな法ではヨーロッパの域内で汚染は想定されていないから、混入した物は市場には出せない。承認された物がすべて承認プロセスをたどる。承認はヨーロッパ食品安全庁が審査し、各国の機関も審査する。0.9%までの意図せぬ混入は承認された食品のみ表示義務がないが。混入は種子と食品の2つがあるが、種子の汚染は環境に対しても農業のシステムにも影響する深刻な問題だ。農民や消費者は種子の汚染に閾値(どこまで許されるかの線引き)を設けることに反対している。 コーデックス会議における欧州のポジションをどうするかについては、EC(欧州委員会)とEU 各国の間で活発な議論が行われている。欧州委員会は未承認についてアメリカが行っている安全性審査を認め合おう、汚染の許容値を作ろうとしているが、EU加盟各国はデータベースを作りたくないし、相互承認もしたくない。欧州委員会は結局データベースを出したのみ、アメリカは合意しなかった。 コーデックスは貿易の問題が焦点となっている。EUのGMOのモラトリアムに関して、アメリカ、 News Letter Vol. 89 7カナダ等がWTOに提訴し、現在も紛争は継続している。ヨーロッパの市民としてWTOとコーデックスの仕組みが我々の主権を脅かすのではないかと懸念している。
今回の会議での重要な課題がGM動物。SFでなくて現実の問題だ。乳量を多くする牛、毛の多い羊などの実験が行われ、人間の成長ホルモンが使われている。最も早く市場に出、食品や環境に危険を持たらすのが魚。鮭、めだか、ブラックバス、なまず、カキなど、様々な魚類が実験されている。アメリカ・カナダの合弁会社AFプロテインはGM鮭の承認申請を進めており、1500 万匹の鮭の商品化を目指している。アメリカ食品医薬局は商品化の認可を与えようとしているので、まもなく食卓に上がるだろう。 このGM鮭は食欲旺盛で、成長ホルモンを組み込まれているため野生鮭の3倍の餌を食べてしまう。通常の5倍早く成長し、身体が大きいため繁殖の時優位性がある(メスを引き付ける力がある)が、遺伝的には骨の異常や短命の問題がある。専門家は、成長が早く獰猛なので野生の鮭を駆逐してしまうと懸念している。GM鮭のもたらす人間や環境への影響はわかっていない。 遺伝子を組み換えた動物には同じことが起きると考えられている。適者生存とは異なり、最も適さない動物が最も多く繁殖相手を得て、その遺伝子によって種が絶滅する。網で囲った中で飼育しても逃げる魚もいる。過去20 年の統計を見ると毎年数百万匹の鮭の稚魚が逃げている。GM鮭は環境に大きなリスクを持ち込む。より安く生産するためのものであって、我々には必要ない。
GM生物は従来のものと違った性質を持っている。自然の物ではない。外来種が入ってきた時に在来種が駆逐される経験を我々は持っている。GM種が在来種を駆逐し生物多様性が損なわれる。遺伝子の蓄積と数を守り生態系の安定性を保つことは重要。生物多様性は人々に自然に対する尊敬、慈しみなど感性を養うためにも必要。遺伝子を組み換えることで何か良い物を人間が作るというが、人間の傲慢さの表われだ。 生物多様性条約は1992 年に制定され、140 の国が批准している。生物多様性は人間の健康に関係があるとはっきりうたっている。この条約に基づいてカルタヘナ議定書が作られた。目的は国境を越えてGM生物の移動を規制することだ。GM作物は生物多様性と人間の健康に影響するという認識を示している。カルタヘナ議定書には125 の国が批准しているが、主要なGM生産国、アメリカ、カナダ、アルゼンチン、オーストラリアは批准していない。GM生物に対しては、コーデックスと共にこのカルタヘナ議定書の2つのルールにより規制される。今回のコーデックス会議には初めてカルタヘナ議定書事務局が参加した。コーデックスは食べ物を対象にしているが、カルタヘナ議定書は生きたGM生物を対象としている。GM生物の国境を越えた移動とリスク分析及び予防原則についても言及している。 アメリカは国際会議ではGM作物の規制は健全な科学に基づいて行なわれなければならないとしているが、国内ではGM食品に何の規制もない。表示もトレーサビリティもない。2003 年のコーデックス会議で、市場に出す前のGM食品はリスクアセスメントを受けなければならないと決めたが、アメリカは行っていない。科学の代わりにイメージに訴え、従来の食品に変りはないという。80 年代、アメリカ政府は保守的になり、消費者の利益より産業界の利益が優先されることになった。アメリカとその産業界に対抗するためには世界の市民の力が重要だ。
日本政府はスタック・ジーンの安全性評価を提案した。親が承認されたGM作物であれば子も安全だ という論理だ。提案はしたものの賛成がなかったので引っ込めたが、再度出てくる可能性がある。会議の議事録には提案されたことを記録してほしいと主張している。スタック・ジーンの安全性評価につ いては原則安全論に基づいてケースバイケースで必要。ECは原則危険論で、ケースバイケースだと限定される場合もあると主張。ECはこれも記録に明記してほしい、コンセンサスが得られていないことも明記してほしいとした。日本の提案は否定された。
1 GMナタネ調査結果・国への要望 倉形正則(市民セクター政策機構) 我々の調査の結果、GMナタネの汚染が広がっていることを確認した。生物多様性議定書に基づいて制定されたカルタヘナ国内法「遺伝子組換え生物の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」があるが、この法律は現状の適用のされ方から見ると、いわばGMの屋外実験を保証するための法律にすぎない。カルタヘナ議定書では環境全体の生物多様性を確保することになっているが、国内法は野生生物のみが対象で、裁培種は除外されている。しかしこの国内法でもこぼれおちナタネの問題は解決できる。対象範囲は第2条に「食用、飼料用その他の用に供するための使用、裁培その他の育成、加工、保管、運搬及び廃棄並びにこれらに付随する行為」と書かれている。輸入ナタネのこぼれ落ちは対象範囲になっている。また、第4条では、「GM生物等を輸入して使用するものは主務大臣の承認を得なければならない」とある。カルタヘナ法成立以前に承認されたものは経過措置としてカルタヘナ法で承認されている。ナタネ2種は承認されている。そのナタネが汚染を広げている。第5条には「主務大臣は生物多様性影響が生ずる恐れがあると認める場合はその承認を拒否しなければならない」とある。また、第6条では「使用者の義務として輸入、加工する申請をしたならこぼれ落ち裁培は届け出なければならない、道端に生えているGMナタネが生物多様性に影響しないことの承認を受けなければならない」。国はこぼれ落ちについては承認を取り消し、回収の命令をし、現状回復をはかる義務があるが、現実には何もしていない。こぼれ落ちナタネは国内法でもこれだけ抵触している。議定書の精神から言えば、少なくとも国内法に書かれていることはせめて守らなければならないことを国に要求していく。 2 GM作物裁培規制条例制定運動 辻成子さん(生活クラブ生協千葉) 千葉県では食の安全条例を制定することになり、生活クラブから3名が千葉県食品安全条例検討作業部会に公募の委員として加わった。当初、県も検討会の座長もGM問題にはなるべく触れない雰囲気で、GM食品は安全だといった資料も出された。生活クラブの経験から交雑問題を意見として述べたところ、千葉大の先生があと押ししてくれた。生産者も消費者が受け入れられない物を生産したくないと意見を表明し、座長を除いた全員がGM食品の問題も条例に入れるべきだという結果になった。GM作物の情報提供を推進すること、GMに関して条例に項目を入れることとなった。 3 GMOフリーゾーン 運動森政男(みのり安心ネットワーク) 生活クラブと提携している農家グループで、東京一円に65 名の会員がいる。今年の目標としてフリーゾーン運動をかかげた。GM反対運動のうねりはすごいが末端まで遺伝子組み換え問題は浸透していない。行動を起こそうと、フリーゾーン看板を立てることにした。8月にセレモニーを行ったが、マスコミやJAもやってきて大変な関心をよんだ。畑News Letter Vol. 89 9に立てた看板を見てGMOは何だろうと言う人が多い。意識を変えるためにも東京だけじゃなく提携農家と手をとりあって大きな運動にしていきたい。 4 GMOフリーゾーン東北ネットワーク 田中正治(ネットワーク農縁) 準備会が9 月3 日開かれた(キャンペーンニュース88 号掲載。)現在山形県の上和田地区の66 生産者、新庄の11 生産者、JAみどり、遊佐農協、月山パイロットファームが宣言を行い、看板を立てている。今後山形県高畠町有機農業推進協議会参加の生産者も宣言を行う。東北一帯をフリーゾーンにする運動を進めていく。現在、東北大学川渡農場の「鉄欠乏耐性イネ」裁培実験に対して反対運動を行っている。準備会で提出した抗議文を下記に掲載する。
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