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パパイヤ、初めて生で食べるGM食品登場へ
このところ「問題の多いGM食品」が相次いで申請されている。1月18日、食品安全委員会遺伝子組換え食品等専門調査会で、高リシン・トウモロコシ「LY038系統」の審議が始まったのにつづき、2月27日には耐病性パパイヤの審議が始まった。この審議も非公開だった。
このGMパパイヤ、1998年から米ハワイ州で、コーネル大学、ハワイ大学、アップジョン社が共同で開発したウイルス抵抗性パパイヤである。パパイヤは、中南米を原産とする多年生の草木で、高さが10メートルほどに育ち、ツリーメロンという名前の通り、木になるメロンとして、その実が食されてきた。
日本では沖縄や奄美大島などで栽培されているが、台風などの風や雨に弱いため、しばしば大被害を被り、収穫量は増大してこなかった。しかも、植物防疫法によって、病気の侵入を食い止めるために、長い間、輸入はハワイ産の品種だけしか認められてこなかった。そのため市場はほぼハワイ産によって占められてきたが、最近はフィリピン産が増えている。ハワイのパパイヤ生産の半分が輸出されており、その半分以上が日本に入ってきている。
これまでにも、しばしば遺伝子組み換えパパイヤが日本に入っていた、という検査結果が発表されている。その組み換えパパイヤが、いよいよ承認される可能性が強まった。承認されれば、ハワイでは非組み換えパパイヤはなくなることが予測される。もし食卓に登場すれば、日本で初めての生鮮食品での遺伝子組み換え作物が、市場に登場することになる。
1月20日、生物多様性影響評価検討会総合検討会で、サントリーの青いバラが初めて登場し、野外栽培が認められた。バラ科の植物は多く、交雑の可能性が大きいことに加えて、バラは挿し木によって増殖するため、次々と各家庭がGMバラを栽培する庭や畑になってしまう危険を孕む。無秩序なGM汚染の拡大が懸念される。新潟県では、青いユリを開発する動きも見られる。開発側は、即商売につながる花にシフトし始めている。
反撃を始めた米国政府
米国の動きが活発化している。この間、BSE問題で、対日本への高飛車な姿勢が目立つが、GMO問題でも同様である。GM作物は、米国政府が推し進める食料戦略と一体化していることから、この動きは強力である。
2月7日、WTO紛争処理小委員会が、米国が起こしたGMOをめぐる訴訟で、EUのGMO規制が貿易協定に違反するという判断を下し、当事者に通知したことが報道された。またフランス、ドイツ、オーストリア、イタリア、ルクセンブルク、ギリシャの6カ国が行っている輸入規制も違反との判断を下した。まだ中間報告の段階であり、数か月後に最終報告が発表されるが、この決定が覆ることはなさそうだ。いまや、この世の中、すっかり経済優先、貿易優先の時代となった。食の安全も環境保護も、経済の論理には平伏するしかないようだ。
この裁定を受けて米国政府が動きだした。まずモンサント社など米国のバイオ企業が、EUの規制政策によって巨額の損失を受けたとして、巨額の賠償を請求する可能性が出てきた。米バイオ産業団体が、その可能性を示唆する発言を行っている。
アメリカ大豆協会がジョハンズ米農務長官に会い、EUが行っているGM食品表示制度やトレーサビリティが貿易障壁に当たるとして、WTO に提訴するよう求めたことも報道された。さらに追い討ちをかけるのが狙いのようである。どうやら次のターゲットは、EUのGM食品表示政策にあるようだ。
もともと米国との協調路線を取ろうとしている欧州委員会も、EU加盟各国や州政府に対して圧力を強めている。輸入規制を行っている6カ国に対して、解禁を求めている。今後、欧州委員会による締め付けは、さらに強まっていきそうである。
そんな中で、米国内でさまざまな動きも出てきている。バーモント州ではGM作物によって経済的損失を被った際の補償を定めた「農民保護法」が州議会を通過したが、両院で可決した内容が微妙に異なることから調整されている。
新しいところでは、3月2日、米国ハワイ州の上院委員会が、GM作物栽培規制法を決議した。これはGM開発が行われると見られている地場産作物のタロイモとコーヒーについて5年間、試験栽培を含めて野外での栽培を禁止したもので、議論は本会議へ移った。
またアラスカ州では、GM魚介類の表示を決めており、カリフォルニア州では3つの郡と2つの町がGMOフリーゾーンを宣言している。
ところが、このフリーゾーン運動を規制しようとする州法制定の動きが各州で見られる。現在、それを準備しているのは、カリフォルニア州、ペンシルベニア州、オハイオ州、ノースダコタ州など多数に上る。
米国ブッシュ政権は、州政府など自治体でのGM作物栽培規制の動きが広がったことを受けて、地方政府が規制を行うことを無効にする強力な法案「HR4167」をつくり、下院への提出を準備している。地方の主権を制限して国を挙げてGM作物推進を図ろうというようだ。地方自治を侵してまで、このような法律を作らなければならないとは。米国の民主主義はどこに行ってしまったのだろうか。
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