| 自生するGMナタネの今後 |
| 遺伝子組み換え食品を考える中部の会 石川豊久 |
『遺伝子組み換え食品を考える中部の会』に参加して、名古屋港と四日市港周辺のGMナタネの自生拡散調査を始めて丸2年が経過しました。ぼくたちが調査を始めたのは、2004年7月茨城県鹿島港周辺でGMナタネの自生が確認されたという報道発表を受けてのことでした。
季節を無視して自生するセイヨウナタネ
菜の花には季節外れ。梅雨明けの酷暑の日、せめてその痕跡だけでもと、なかば下見のつもりで四日市港を訪れました。ところが意に反してというのか、そこで見たのはまさに今まさに花を咲かせているもの、すでに花が終わってサヤに種をつけたもの、まだ芽吹いたばかりのものなどのまったく季節を無視して自生するセイヨウナタネだったのです。そしてそのうちに除草剤耐性GMセイヨウナタネを確認したのです。
考えて見ればわかることですが、カナダで栽培されているカノーラ種は春まきの種類。乾燥した夏でも平気なのです(日本の夏はちょっと過酷なようですが)。そしてカナダと比べて温かな日本では、冬も越せてしまう。ようするに一年中『時無し』で生育可能ということなのです。
輸入の大半がGNナタネ
日本にGMナタネが輸入されるようになって10年近くが経過しています。その間、カナダでのGMナタネの栽培も年々進み、今となってはその割合は80%といわれています。カナダからの輸入が全体の85%といわれていますから、非GMの豪州産などとあわせると輸入ナタネ全体の68%がGMということになります。カナダ産の場合、分別による輸入はありませんから『不分別』ということになるのですが、80%という高確率の混入率ともなるとこれはもうGMナタネと考えて差し支えないでしょう。
世代交代しているGMナタネ
そのGMナタネ、今までに四日市港から松坂市までの国道23号線沿いで確実に定着してしまっているというのが現状です。さらに除草作業が徹底されにくい市街をはなれた場所では、セイヨウナタネが種子を付け、すでに世代交代が行われている様子がうかがわれます。セイヨウナタネは条件さえ良ければ、そのサヤからこぼれた種子はすぐにでも発芽します。そして3ヶ月ほどすれば開花し、種子を付け子孫をふやすことになる。その繰り返しをするうち、除草剤の効かない雑草となってしまうかもしれません。さらにいつか近縁のアブラナ科の植物と交雑するかもしれない。
早急にGMナタネ一掃を
GMナタネの自主調査をはじめて3年目。ますますその威勢を発揮しつつあるというのが現状ですが、手をこまねいて見守っているわけにもいきません。
現在、関係の製油会社が国道23号沿線の定期的なナタネの抜き取り作業をしています。しかしながらセイヨウナタネの勢力はそれをはるかに上回っているかの様相を呈しているというのが現状です。
今後早急にのぞまれるのは、関係の企業ばかりでなく市民や行政など、可能な限り大きな規模でセイヨウナタネの一掃をはかるべく、行動を起すことが緊急の課題なのではないでしょうか。
| GMナタネ自生全国調査報告会に参加して |
| グリーンコープ生協みやざき 理事長 後藤輝美 |
北は北海道、南は九州鹿児島までの全国の団体が行った調査のうち6団体の報告があった。グリーンコープからはふくおかの宮中理事長が報告し、昨年の陽性が出た地域の行政への要請行動の様子(市は県、県は国へと責任転嫁されるとのこと)と今年の調査活動報告と県への要請行動に力を注いでいく予定であることなどの報告があった。消費者の力で調査を続け、また訴え続けていくことの大事さを感じた。
それぞれの団体の報告を受けて、「遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン」の天笠さんが報告会をまとめられた。キャンペーンの呼びかけにより、43都道府県で調査ができた、また、農民連や中部の会等の市民団体と連携できたこと、点や線での調査ではなく面としての調査ができたことはすばらしいと言われていた。ラウンドアップとバスタ両方の陽性反応が出たことはすでに汚染が深刻な状況であるという。これからの私たちのやるべきことは、食の安心・安全条例に交雑混入防止を入れてもらうこと、国に対する要望としては、カルタヘナ国内法の改正、GM食品の表示制度の改正、コーデックス委員会への働きかけ、また、自治体へ働きかけてGMフリーゾーンを拡大することだとまとめられた。私たちの運動が行政を動かしていく力になるということだと思った。
米沢製油の安田さんという方が、「食べるというのは人を良くする!! と書く、110年間ナタネを絞り続けてきた。菜の花畑を見て『あ〜きれい!』とか感慨にふけるのは日本人だけ……」など、怒りながら話していたことがとても印象的だった。
| ひとつの検体からラウンドアップ、バスタ両方の耐性遺伝子を持つ株を発見! |
| 生活クラブ生協(千葉)副理事長 西分千秋 |
今年の調査で新たに、千葉県でセイヨウナタネ1検体からラウンドアップ、バスタ両方の耐性遺伝子を持つ株を発見しています。環境省でも三重県と福岡県で同様の事例を今春報告しています。原因が原産国カナダあるいは千葉県内でこぼれ落ちによる自生での自然交雑(遺伝子汚染)、どちらだと言い切ることはできません。いずれにしても、交雑による遺伝子汚染は確実に身近なところで広がっているということに間違いありません。
米澤製油活タ田氏から、国のナタネ栽培対策と今後について報告がありました。全国のナタネ栽培面積は約800ha自給率は0.05%。これまで契約栽培に対して国より出ていた補助金が05年度で打ち切りとなり、農水省との交渉により06年産から3年限定で「高品質なたね産地確立対策事業」の助成が始まりました。その後の国産ナタネの栽培については楽観できる状態ではありません。80%以上をカナダから輸入し、食卓にGMナタネが出回る割合は60%以上になっています。輸入依存度が高まればGMナタネの割合も増えていくことは確実です。食糧自給、食の安全、環境保全等を考え、食用国産ナタネを作り続けられるよう、ナタネ産地と共に運動を進めていく必要があります。
GMナタネの汚染にどう対処していくか。
・国へのアプローチとして、カルタヘナ国内法の改正、GM食品表示制度の改正を求める運動を進める。
・地域ではGMナタネ監視活動の継続、GMOフリーゾーン宣言運動を生産者と共に広げていく。
・国際会議であるコーデックス委員会では、GM動物・魚の国際基準作りが進められており、注意して見ていく。
・食用国産ナタネを作り続けられる環境を作っていく。
私たちにできることは、全国的、世界的にネットワークを組み、考えつくことはあきらめずに継続して進めていくことだと思います。
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