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新潟県上越市・北陸研究センターのGMイネ
 最近の動き
上越有機農業研究会 天明伸浩

昨年はGM実験の地元説明会を北陸研究センター内で行ったが、今年は新潟県条例に基づき4月20日にセンターから半径300mの農家・および関係機関に対して説明会が開催された。地元農家など出席は数名にとどまったようだ。その後一般説明会を4月25日に行うと公表したにもかかわらず、22日に突然開催を中止した。その後6月22日になってようやく一般説明会を開催した。これまでは市広報に掲載するなどしていたが今回は掲載もなく、一般市民はほとんど知らない状況での開催であった。

今年は広報不足と平日の午前中開催ということであまり多くの人数にはならなかった。しかし「米どころ新潟では迷惑な実験」「昨年の説明会での疑問に応えていない」「ディフェンシン耐性菌の発生への不安」など実験の中止を求める意見が続出した。最後は質問をさえぎり、説明責任を果たさないまま説明会は終了した。

これらの動きからセンターが実験を強行することが明らかになり、「新潟県の米と自然を守る連絡会」は、できるだけ多くの人に実験の危険性をアピールするために地元新聞:新潟日報(新潟県内では最大の50万部発行)へ1面意見広告を行うことにした。できるだけ多くの人に積極的に反対運動へ参加してもらうために、1口千円の募金によってまかなった。その結果、2000名以上の賛同をいただいた。賛同者の名前と、加藤登紀子氏、坂本龍一氏らのコメントなどで構成した意見広告は7月7日の朝刊に掲載された。新潟県GM問題はまだ解決せず、多くの問題を抱えるとともに、全国からも注視されていることが県民に伝わった。これに対してセンター側は、自分たちの行っているGMイネの改変した特性などを無視した反論をHP上で展開している。

7月19日には「食の安全とGMイネを考える上越集会」が開催され、平日の昼間にも関わらず約250名が来場した。元筑波大学教授・生井兵治氏の「遺伝子組み換えイネの生態系への影響―-カラシナ・ディフェンシンGMイネを中心に」の講演で、“あご・ほっぺ理論”を基本として遺伝子組み換えのもつ不確実性を解説した。さらにGM裁判弁護団の光前幸一弁護士から「GMイネ差止め裁判」の報告があった。つづくリレートークでは加藤登紀子氏が「GMはわかりにくい世界だが、もっと多くの人に伝えていきましょう」と新潟の人たちを激励した。また広河隆一氏は放射能を例に出して遺伝子組み換えのもつ怖さを話した。その後も全国から駆けつけた多くの人たちがGMイネに対する疑問や不安を述べて反対運動・GM裁判への期待を表明した。

続く20日は朝7時30分よりセンター近くにある稲田公園からセンターに向けてGMイネに反対するパレードを行った。到着後、前日の集会の途中に会場から飛び出してセンター前で座り込みの抗議をしていた日農新潟県連の方々とともに全国から集まった6万筆の署名を提出した。センター側の対応は終始かたくなで、署名簿に対しても非礼な対応を取り続け、参加した人の怒りをかっていた。

当初センターは20日に田植えを予定していたが、集会やパレードが実施されるとの情報を得て、21日に田植えの期日を変更した。その発表も18日夕刻になってプレス向けに公表する状態で、多くの人に情報が伝わらないように細心の努力を払っていた。実験に当たっては、県知事、県の遺伝子組み換え作物に関する専門部会に対して、また昨年の裁判でも情報公開が必須との条件をつけられているにもかかわらず、その約束を反故にしてできるだけ秘密裏に実験を行おうとしている。21日は激しい雨の中で田植えが強行された。

センターのGM実験に対する反対運動では裁判闘争も行われている。裁判だけですべてを明らかにはできないが、ディフェンシン耐性菌の問題が明らかになるなど、GM作物の問題点を明らかにする上で裁判の果たした役割は大きい。本来ならば司法の場ではなく科学者・消費者など問題を話し合える人たちの場で改善されていくのが良いのかもしれないが、これまでのセンターの対応を体験してみると、GM作物を推進している研究者は、しっかりとした話し合いをする能力に欠けていることは明らかである。これからGM作物の問題点を考える上で、様々な分野の研究者が自由に問題点を明らかにできる仕組みを作らなければならない。今回の裁判はその雛形になるべく多くの研究者が参加している。

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