イリーナ・エルマコヴァ博士全国講演会
福岡・大阪・徳島・東京・つくば・北海道
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福岡
推進派が脅威に感じる意義ある実験 |
グリーンコープ生協みやざき
理事長 後藤 輝美 |
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エルマコヴァ博士全国連続講演会の初発として、7月4日福岡市で開催しました。
第1部をエルマコヴァ博士講演会、第2部をGMナタネ自生調査報告会という2部構成で行いました。講演会の冒頭、天笠さんよりエルマコヴァ博士のプロフィールや実験のポイントなどに関する話があり、エルマコヴァ博士研究を紐解く上での導入となりました。400人入る会場のステージ上に映し出されるラットの写真やグラフなどのデータは、「生命を育む食べもの運動」に取り組んでいるグリーンコープの組合員にとってはとても衝撃的だったと思います。GM大豆ひいてはGM技術は「生命」を蹂躙するものであるという感覚をより強くしたのは間違いありません。
講演そのものは何ら問題なく終ったのですが、記者会見の場でGM推進派と思われる人の質問攻めに遭いました。
「実験に使用したGM大豆は加熱なのか、非加熱なのか」
「非加熱であれば大豆のレクチンがラットの発育に影響を与えたのではないか」
「その大豆はどこから入手したのか、明らかにしてほしい」
など、その質問に的確に応答できなかったことが悔やまれます。エルマコヴァ博士の実験に対する批判や実験内容への信憑性が論じられていることを承知した上での講演会だったので、推進派の参加について少なからず想定はしていましたが、手に汗を握るようなその場の雰囲気はあまりいいものではありませんでした。
エルマコヴァ博士が今回の実験を行うにあたってさまざまな妨害にあい実験を継続できない状況にあることや、推進派の人たちが躍起になって向かってくるというのは、それだけ脅威に感じていることであり、意味のある実験なのだと受け止めています。GM大豆の安全性を問うはじめての動物実験に対する反響を私たちは真摯に受け止め、「生命」という生き物の根源が揺らぐことのない、「安心・安全」を求めていかなければと強く思いました。また、グリーンコープとしては、講演会と報告会に関する号外を発行して、広く組合員へお知らせしていくことにしています。
大阪
国に追試を働きかけ、GMO開発に歯止めを! |
生協連合会きらり
(エスコープ大阪)奥 万里子 |
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エルマコヴァ博士の動物実験結果は非常にわかりやすくセンセーショナルなもので、それだけに最初は鵜呑みにしていいのかと不安がありました。しかし講演会を聴いてその思いは払拭されました。
GM大豆群とその対照群をおき、P<0.001という統計学的に高度な危険率の有意差が出た結果は、信頼できるものと受けとめました。いのちを守り育む親の立場からGMO技術の暴走をストップさせたいと願い運動を続けて8年が経過しています。GMOに対する不安をやっと科学的根拠をベースに言えるようになったことで、反対運動の今後に期待を膨らませています。
今後は国を初めとする公的なポジションで追試をするように働きかけ、GMOの開発・商業化に歯止めをかけられるような活動をしていきたいと思います
徳島
新しい命を授かる若い人に伝えていきたい
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エルマコヴァ博士全国講演会in徳島 実行委員会
実行委員長 常見裕之 |
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平成18年7月7日の七夕の日に、徳島県徳島市のふれあい健康館ホールで講演会が開催され、200席の会場が満席となりました。
交配の2週間前からGM大豆をえさにした母親から産まれた子ねずみは、45匹中25匹という半数以上が3週間以内に次々と死んでいったという衝撃的な実験結果が、成長不良の子ねずみの写真とともに報告されました。
今回、イリーナさんを大阪までお迎えに行って、講演以外にもいろんなお話をお聴きしました。特に驚いたのは、イリーナさんの飼っているペットの話でした。ペットの猫が6匹の子猫を産んだのですが、生後すぐに4匹が死に、残った2匹のうちの1匹は、もう1匹より成長が非常に遅れており、与えていたペットフードを調べたら、GM大豆を原料にしていたということです。モスクワの獣医師の話では、イリーナさんのペットだけでなく、他の人の飼っている猫や犬でも、同様のことが起こっているそうです。
これまでにも、遺伝子組み換え食品の問題点として、アレルギー源となることや、発ガン性のおそれがあることなどが言われていましたが、今回は子どもたちや孫たちという子孫に与える遺伝毒性の報告でした。実験が可能なラットだけでなく、犬や猫の他の哺乳類でも同じ現象がでています。
遺伝子組み換えのえさが与えられている牛や豚への影響はどうなのでしょうか? それを食べる人間への影響はどうなのでしょうか? まずは、自分の子どもたちを守り、身近な人たちに、そして特にこれから新しい命を授かる若いみなさんに伝えていきたいと強く思いました。
なお、講演会前に戴いたチラシのイリーナさんの写真は、少し厳しい表情をされていました。ロシアの科学者ということで、どのような方なのだろうと思っておりましたが、極めて理知的で、非常に穏やかな、人あたりの良い方でした。「イリーナ」とは、ギリシャ語で「平和」という意味があることも教えていただきました。残念ながら、イリーナさんがロシアで実験報告をした後に、いろんなプレッシャーや実験妨害などもあったそうです。でも、イリーナさんは「平和」という名の通り、穏やかで、攻撃的ではなく、遺伝子組み換え推進の立場の人々や企業とも、いつでも対話する準備があるとおっしゃっていました。そして、難しい実験ではないので、是非、日本でも実験をして確かめて欲しいと、機会があるたびに訴えられていました。日本でも、多くの科学者の方が追試して、危険性を実証していただければと、願っています。
最後になりましたが、今回の実行委員会や講演会でお世話になったみなさま、どうもありがとうございました。
東京
予防原則の考えに基づいて行動していこう |
生活クラブ生協(千葉)
副理事長 西分千秋 |
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博士は遺伝子組み換え問題に興味を持ち、各国の実験報告を探したところ、動物への影響について報告されているものがあまりにも少ないことに驚き、自分で確かめようとしたことが、今回の実験の動機だったそうです。
GM大豆投与群では、半数以上に新生児の死亡や低体重、生後の発育不良、生後3週間の死亡率が高く、行動異常があり、在来大豆、大豆を含まない餌を与えたものに比べて、大きな差があることが報告されました。
今後、GM作物や食品によって引き起こされる問題として可能性があるものに、癌や不妊、アレルギー、新生児における多くの病気と高い死亡率などがあげられています。
現在の日本の安全審査基準(コーデックス基準)では動物実験は必須とはされていません。よって私たち人間が実験対象になっていることになります。
今回の実験に対して様々な意見もありますが、私たち消費者は予防原則の考えに基づいて、考え行動することが大切なのだと思います。
つくば
消費者の不安・不信が募る動物実験免除
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つくば・市民ネットワーク
宇野信子 |
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7月9日、つくば市春日公民館で「遺伝子組換え作物を考える市民集会U」と題して開催した。
昨年、河田先生を招いて開催した「遺伝子組み換え作物の現状と問題点」の100人を超える、146人(内訳:消費者・生協関係者95、生産者6、研究者9、市民団体4、報道関係2、不明・一般市民30)が集まり、今回の講演に対する関心の高さをうかがわせた。
内容はまず、河田先生がプレ講演で、遺伝子組み換え食品の安全性審査の問題点を指摘され、続いてエルマコヴァ博士が報告を行った。その内容は、「安全性を承認されている除草剤耐性の遺伝子組み換え大豆の摂取が、ラットの出産や子どもの成長に影響を与えた。また、摂取させた雄雌とも不安、攻撃性が高まる傾向が見られた。臓器の分析等はまだ途中であり、このような結果が出た原因についてはさらなる研究が必要である。」ということであった。また、「同じような実験を他の研究者にも実施してほしい」と何度も述べていた。
質疑は質問紙により受け付けたが、前日の東京の講演会で質疑の時間がなかったこともあってか、多くの質問(20件)が出た。時間の関係ですべての質問に答えることはできなかったため、代表的な質問として主催者側で4つを選び、回答を行った。質問は以下のとおり。
(1)GM大豆は加熱処理されたものか?
(2)ラットの不安と攻撃性を調べる方法は?
(3)ラットの実験で人体への影響はどの程度わかるか?
(4)ネコで異常が出たときの詳しい状況は?
(紙面の関係で回答は省略する。つくば・市民ネットのホームページを参照ください)
予定時間をかなり超過したため、あとはホームページで回答すると伝え、閉会しようとしたところ、一部の参加者から博士の仮説に対し、激しい反論と非難があがり、会場は騒然としたまま、博士は退室せざるを得なかった。(これらの反論には、閉会後、長時間にわたり河田先生に対応していただいた。)
私たちは、あくまでも食の安全・安心を求める立場から、遺伝子組換え食品の安全性について十分な検討がないまま承認され、世界中で栽培・使用が広がっていることを憂慮しているのみである。動物実験による慢性毒性試験は、条件のコントロールや因果関係の解明が困難という理由で免除されているようだが、そこに私たち消費者の不安・不信がある。このことを国や研究機関、開発・販売企業は真摯に受け止め、慢性毒性も含めた十分な調査を行い、公表して欲しい。それができないのであれば、せめて食べたくない人は食べずにすむよう、表示制度をEU並に厳しくするなどの見直しを求めていきたい。
北海道
推進派によるメディアセミナー、各地で開催
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北海道遺伝子組み換えイネいらないネットワーク
富塚とも子 |
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最終日となった7月10日の札幌講演会には220人の市民が参加し、博士の報告に聞き入った。アンケートのなかに市内の国立大学の研究者から博士の研究を高く評価するコメントが寄せられるなど、充実した講演となった。
イリーナ・エルマコヴァ博士が行なった実験の詳細はすでに報告されているので割愛するが、博士はこの実験結果から、GM食品が「動物に癌、不妊、アレルギー、新生児における多くの病気と高い死亡率を引き起こす」可能性を示唆し、考えられる原因として「@導入された新しい遺伝子と遺伝子産物が完全に分解されず、細胞や常在菌に取り込まれ生体に影響を与える、AプラスミドなどGM技術に固有の非意図的効果による、B外来遺伝子と宿主の遺伝子との間の相互作用、C導入された遺伝子が自然界での交雑や遺伝子の水平移動で拡散することによって生じる」などのケースを挙げた。
その上で、巨大な政治的経済的力を持つバイオ企業の圧力により科学者がこのような動物実験を行なうのが難しい状況にあることを報告した。博士の論文も、ピュアレビューを終了したにもかかわらず、正式に発表する場が与えられていないし、悪意に満ちた中傷や圧力が博士に加えられたという。
一方、博士の研究に賛意を寄せた研究者も少なくない。厳しい状況ではあるが、より多くの科学者が動物実験によってGM食品の生物に与える影響をより速やかに研究すべきであると繰り返し語る博士の真摯な言葉が参加者の共感を呼んだ。
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博士の言葉を裏付ける動きがあった。バイテク情報普及会(※)が、エルマコヴァ博士の講演会に先立ち、「緊急メディアセミナー ロシアでのラットによる生殖毒性試験を科学的に検証する(共催:(社)日本植物油協会、油糧輸出入協議会、アメリカ大豆協会、協賛:(財)バイオインダストリー協会、日本国際生命科学協会)」を福岡、東京、大阪、札幌で開催した。同セミナーは、マスコミ向けのもので、東京では一般市民の入場を許可しなかったと聞くが、札幌では、北海道遺伝子組み換えイネいらないネットワークのメンバー5人の参加が許可された(参加者総数は19名)。
スピーチしたのは元FDA(米国食品医薬品局)バイオテクノロジー安全性専門官のジェームス・マリアンスキー氏ほか4名。マリアンスキー氏は、「遺伝子組み換え食品の動物を使った安全性試験は必要ない」と断言し、その根拠として「安全性は@アメリカで認められている。A国連(コーデックス委員会)で認めている。BGMOと非GMOは実質的に同等である。Cこれまでに健康被害は確認されていない」と強調した。@からBまでは何の根拠もないし、Cに至っては嘘も100回言えば事実になるの類。氏は日本の妊婦、乳幼児がGM食品を食べ続けていることは気にならないらしいが、「動物愛護の観点から実験動物の使用は制限するべき」と締めくくった。
(財)残留農薬研究所毒性部副部長兼生殖毒性研究室長の青山博昭氏は、「GM食品の安全性については知らないが、植物の成分は栽培条件などで変わるので同一条件の実験は行なえない。動物実験は食品の安全性試験にはなじまない」など、エルマコヴァ博士の実験結果は科学的根拠がないと述べた。青山氏の述べたことが事実であれば、時間の試練を経ていない不完全で予想の出来ない変化を起こすGM作物の毒性等は測定不能で再現性がないことになり、食品としての安全性審査自体が成立しないことになろう。
さらに、ブレークとイベンソンのGM大豆を食べさせた動物実験ではラットに異常が見られなかったからGM食品は安全との資料が配られた。「動物実験は必要ない」と主張する一方で科学的とは言えないブレークとイベンソンの論文を持ち出して、GM食品の安全性を主張する矛盾に満ちたセミナーだった。私の頭には、曲学阿世の四文字が浮かんだが、このセミナーを真に受けた記者が書いた記事が読売新聞に掲載され市民の失笑を買ったこと、同じ題材を扱った北海道新聞の7月15日付の記事は双方をよく取材し充実した内容だったことを報告しておこう。
エルマコヴァ博士に札幌で講演していただいたことで、大きな収穫があった。開催にあたって多くの団体・企業、個人から賛同をいただけたこと。道内遠方から多くの市民が参加しGM作物(食品)についての認識を深められたこと。なによりエルマコヴァ博士の研究者としての高い能力、真摯さ、謙虚さ、強い意志に直接触れえたことだ。その機会を与えてくれた多くのみなさんに改めて感謝の意を伝えたいと思う。
(※)日本モンサント、シンジェンタジャパン、ダウ・ケミカル日本、デュポン、バイエルクロップサイエンス、BASFアグロの6社により構成。
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